太田川の河原から、宮内庁へ
森町の秋冬は、柿で始まる。江戸時代、村の百姓・松本治郎が太田川の河原で見つけた幼木。それが治郎柿のはじまりだ。いまでは毎年、宮内庁に献上される品種になった。
この町を訪ねると、秋葉街道の宿場町としての面影が城下の町並みに残っている。かつて秋葉山へ向かう旅人たちが泊まった土地。その同じ地で、百姓たちは季節の手当てを重ねてきた。治郎柿はそうした営みの結晶だ。
寄付すると届く クラウンメロン 山等級 は、森町の農業がもう一つの顔を持つことを教えてくれる。メロンは秋から冬にかけて、この町の農家の手を占める。箱を開けた時の香り、切った時の果肉の色。高級メロンの等級は、育てた人の目利きと手間の積み重ねだ。

食卓に着地する、二つの季節
治郎柿は、そのまま食べるのが本来だ。届いた箱から一つ取り出し、常温で数日置く。柔らかくなった頃、スプーンで食べる。甘さが濃く、種がない。秋の日中、台所の窓から本宮山を眺めながら食べるのが、この町の食べ方だろう。
メロンは、冷やして切る。家族が揃う食卓に、一玉をゆっくり消費する。朝食に、デザートに。冬の間、毎日のように現れる果実。それは森町の農家が、季節ごとに何を育てるかを決めた結果だ。
森の姫牛の切り落とし も、この町の産業を支える。すき焼きに、炒め物に。冬の夜、温かい鍋に入れる肉。農業と工業が共存する町だからこそ、こうした品が生まれる。

遠州の小京都と呼ばれるこの町は、派手さより、季節の手当てを大事にする。返礼品を通じて、その食べ方が家に届く。
