七尾湾、漁港の朝から食卓へ
能登半島の中央、七尾湾と富山湾に面した七尾市。この町の産業人口を見ると、一次産業は6%に過ぎないが、その6%が支える水産加工業の存在感は大きい。スギヨという水産加工の大手企業が根を張り、漁港から加工場へ、そして全国の食卓へ。七尾の食べ物の多くは、この短い距離の中で完成する。
私がこの町を見ていて感じるのは、『海が近い』という単純な事実の重さだ。富山湾側の崎山半島の先端・観音崎から能登島を望む距離感。七尾湾を囲む漁港の数々。庵、石崎、鵜浦、江泊、黒崎、佐々波……。小さな湾の周囲に、これだけの漁港が密集している町は珍しい。それぞれの漁港が、季節ごとに異なる獲物を揚げる。冬の朝、その日の漁が決まり、昼には加工が始まり、数日後には家に届く。この速度感が、七尾の食べ物の質を決めている。
能登の塩辛三種、冬の晩酌の友
能登の塩辛三種セットは、この町の海の仕事を最も素直に表現した返礼品だ。赤づくり、黒づくり、糀漬けの三種。いずれもイカを塩漬けにしたものだが、塩の加減、塩漬けの期間、仕上げの手法が異なる。

赤づくりは、塩辛の基本形。イカの身と塩を交互に漬け込み、塩辛い環境で熟成させたもの。黒づくりは、イカの墨を混ぜ込んだ版。糀漬けは、塩麹を使った、やや甘めの仕上がり。三つを並べると、同じ『塩辛』という食べ物の中に、職人の手による微妙な違いが見える。

冬の晩酌。白いご飯の上に、小さじ一杯の塩辛を乗せる。塩辛い、イカの香りが立つ。日本酒を一口。この組み合わせは、何百年も前から、この湾の漁師たちの食卓にあったはずだ。返礼品として届いたとき、あなたの台所は一瞬、七尾の漁港の朝になる。
他の選択肢——米、魚、酒
七尾の食卓は、海だけでは成り立たない。七尾産こしひかりは、能登の水田から届く米。冬の塩辛には、新しい米が欠かせない。令和7年産、玄米で届く選択肢もあり、精米の手間をかけることで、米の香りをより強く感じられる。

お刺身盛り合わせセットは、冷蔵便で届く。塩辛とは異なり、鮮度そのものを食べる返礼品。七尾湾で揚がった複数の魚を、その日のうちに盛り合わせ、冷蔵で送る。解凍の手間がなく、届いたその晩に食卓に乗せられる。
能登の地酒・五年大古酒は、熟成の時間を飲む。五年寝かせた古酒は、塩辛の塩辛さを引き立てる。冬の夜長に、ゆっくり。
七尾に寄付することは、この町の漁港と加工場、そして食卓をつなぐ一本の糸に、あなたも加わることだ。
