三面川が育てた、鮭との付き合い方
村上市の台所は、鮭なしに成り立たない。三面川は江戸時代から資源保護の思想を持ち、単なる漁獲ではなく将来世代の回帰を前提とした管理を続けてきた。その歴史が、今も市民の食卓に息づいている。
12月になると、市街地の軒先に塩引き鮭が吊り下げられる。これは観光の風物詩ではなく、冬を越すための家の営みだ。塩漬けにして干した鮭は、保存食であり、正月の祝い膳の主役であり、日々の焼き魚でもある。
鮭の味噌漬と味噌干のセットは、その食べ方の一つの形だ。味噌に漬けた切り身は、朝の焼き魚として、あるいは夜の晩酌の肴として、手間をかけずに食卓に上る。味噌干は、塩辛さと香りが強く、ご飯を進ませる。冷蔵庫に常備しておくと、朝の準備が楽になる。鮭という一つの食材が、季節を通じて家の食べ方を支えている。

城下町の米、日本海の塩辛さ
村上は城下町だ。武家地と町人地が今も地形に刻まれ、寺町には黒塀が残る。その城下町を支えてきたのが、越後平野の米と、日本海の塩だ。
岩船産の特別栽培米こしひかりは、村上駅が開業した当初、一面の茶畑の中に立っていた時代から、この地で作られ続けている。現在も駅西側に茶畑が残るように、村上は北限の茶どころとして知られるが、米もまた、この土地の基本だ。特別栽培という手間をかけた米は、塩辛い鮭や味噌漬けと合わせることで、その価値が引き出される。

山北地域では、海水を用いた伝統製法による製塩が今も行われている。その塩が、鮭を塩漬けにし、野菜を漬け、冬の食卓を作る。米と塩、鮭。この三つが揃うと、村上の食べ方が完成する。
日本海の白身魚と、晩酌の地酒
日本海に面した村上の漁港では、季節ごとに異なる魚が水揚げされる。白皇鮃の刺身セットは、活け越しという神経締めの手法で、白く輝く身を保つ。刺身として食べるのが最も素直だが、冷蔵庫に常備しておけば、夜の一杯の肴として、あるいは昼食の丼の具として、何度も食卓に上る。
晩酌の相棒として、〆張鶴の飲み比べセットがある。純米吟醸と純米、二つの銘柄を一度に味わえる。新潟県内限定流通という地酒は、村上の居酒屋や家庭で長く愛されてきた。冬の夜、塩辛い鮭をつまみに、地酒を傾ける。その時間が、村上の食卓の本質だ。
返礼品を選ぶ時は、一つの品だけでなく、組み合わせを考えてほしい。米と鮭、塩辛い魚と地酒。それらが揃うと、村上という町の食べ方が、自分の台所に着地する。
