水が育てた町の米
三種町は、三種川が流れ込む湿地帯の町だ。私がこの町を見るとき、まず思い浮かぶのは水である。八郎湖、蓮沼、そして三種川。こうした水系に支えられた低地で、この町は何を作ってきたか。それは、じゅんさいだ。
国内生産量の約90%を占める日本一のじゅんさい産地——この事実が、三種町という場所の本質を教えてくれる。1980年代、転作作物として奨励されたじゅんさいは、最盛期には年1000トンを超える生産量に達した。その栽培には、清冽で豊かな水が不可欠だ。同じ水系で育つ米もまた、その恩恵を受けている。
秋田県三種町産のこしひかりは、こうした水の町が送る米である。令和7年産の新米が、5kg×2袋で届く。秋田の米は、冷めても甘さが残ることで知られている。朝、炊きたての湯気の中で食べるのもいいが、昼の弁当で、夜の冷や飯で、この米の真価は問われる。水が豊かな土地で育った米だからこそ、時間が経ってからの粘りと甘さが際立つ。

台所に届く、水の町の仕事
米を炊くとき、私たちは水を足す。三種町の米は、その水の選び方さえ丁寧にしたくなる米だ。軟水で炊けば、粒立ちが生きる。硬度の高い水なら、甘さが引き締まる。毎日の食卓で、こうした小さな工夫が積み重なる。
同じ町から届く海鮮茶わん蒸しも、水の町の産物である。じゅんさいの生産地として知られる三種町だが、八竜地域は海に面している。釜谷浜は環境省選定の快水浴場でもある。海と湖、両方の水を持つ町だからこそ、こうした海の幸も育つ。缶詰めで届く茶わん蒸しは、保存も簡単だ。朝の忙しい時間に、温めてそのまま食卓へ。あるいは、夜の一品足りない時に。米と一緒に、この町の水が育てた食卓の選択肢が増える。

三種町への寄付は、水が豊かな土地の営みを、家の食卓に迎え入れることだ。
