雪国の米は、冬が育てる
湯沢は秋田県の南東、奥羽山脈と出羽山地に挟まれた横手盆地の南部にある。年間降雪量は750センチを超える特別豪雪地帯だ。冬は-15℃を下回る日も珍しくない。この厳しさが、米の味を決める。
雪が深いほど、春の融雪は遅い。田んぼが水を得るのは遅く、生育期間は短くなる。だから根は深く張り、茎は太く、一粒一粒に養分を詰め込む。急いで育つ米ではなく、限られた時間で力を集中させた米になるのだ。
あきたこまちは、この土地で何十年も選ばれ続けてきた品種。農家直送で、特別栽培米として届く。精米か無洗米か、2キロから20キロまで容量が選べるのは、一人暮らしから家族まで、それぞれの食卓に合わせるためだ。

炊きたての香りは、雪国特有の清潔さがある。粒は立ち、噛むと甘みが広がる。これは贅沢な米ではなく、毎日食べるための米。朝の味噌汁の椀に、夜の漬物の横に、季節が変わっても変わらない味として家に着地する。
山と川が育てた、もう一つの選択肢
同じ湯沢の田で、サキホコレという希少品種も作られている。特別栽培米として、1キロから10キロまで選べる。こちらは秋田県が開発した新しい品種で、あきたこまちとは異なる香りと粒感を持つ。

米を選ぶ時、同じ産地の異なる品種を食べ比べるのは、その土地の懐の深さを知ることになる。湯沢の米農家は、一つの品種に頼らず、土地に合った複数の選択肢を用意している。それは、雪国で生き残るための知恵でもある。
米を支える、肉と酒と味噌
米だけでは食卓は成り立たない。湯沢の返礼品を組み合わせるなら、みなせ牛と八幡平ポークのセットを一緒に選ぶ手がある。冬の夜、温かい鍋に米を添える。肉の脂が米の甘みを引き出す。
また、天然醸造の特上味噌も、この地の発酵文化を代表する品だ。1キロカップ×2で、毎日の味噌汁に使える量。無添加で、塩辛さではなく深い旨味で米を支える。
米、肉、味噌。湯沢の食卓は、山と雪が育てた三つの柱で成り立っている。