馬淵川沿いの丘陵地で、果樹が根を張る
南部町は青森県南東部、三戸郡の中央に位置する。町の中心を馬淵川が東西に貫き、その両岸は丘陵地帯が大部分を占める。標高615mの名久井岳も南部に控える。この地形が、果樹栽培の適地を生んだ。
私がこの町を見ると、南部藩発祥の地としての歴史と、現在の産業が一本の線でつながっているように思える。かつて南部氏が統治した領地で、今も果樹農家たちが季節ごとに丘陵の斜面を手入れしている。町の基幹産業は農業、とりわけ果樹栽培だ。リンゴ、サクランボ、ブドウ、そして洋梨とモモ。全国で唯一の町営青果市場が運営されているのも、この町の果樹生産がいかに根付いているかを物語っている。
川中島白桃——初夏から盛夏へ、家の食卓に季節が届く
川中島白桃は、この町の夏を代表する返礼品だ。もぎたて発送という条件が、すべてを物語っている。

桃は、届いた時点では硬い。数日、室温に置いて追熟させる。その間、香りが立ち上がり、色が濃くなっていく。家の台所に、初夏から盛夏への季節の移ろいが、ゆっくり進行する。食べ頃は、手で軽く握ると、ほのかに弾力を感じる瞬間だ。
皮は薄く、手で剥ける。果汁が手に流れる。朝食の食卓で、あるいは昼下がりの縁側で、冷やした桃を食べる。その瞬間、南部町の丘陵地で育った果実が、自分の家の季節になる。容量が選べるのも実用的だ。3kg(7~11個)か4.5kg(10~15個)か。家族の人数、食べるペースに合わせて、無駄なく季節を迎えられる。
洋梨とリンゴ——秋冬の台所を支える
ゼネラルレクラークの缶詰は、洋梨の別の顔だ。生の果実ではなく、缶詰という形で、秋冬の台所に着地する。セイヨウナシ(ゼネラル・レクラーク種)は、この町で栽培される特産品。缶詰にすることで、季節を超えて食卓に置ける。ヨーグルトに混ぜたり、紅茶に浮かべたり、あるいはそのまま冷やして食べたり。保存性と使い勝手が両立している。

濃厚りんご サンふじは、規格外品という名称だが、味に妥協はない。むしろ、形が不揃いだからこそ、農家の手間が見える。5kg という量は、秋から冬にかけて、家族で毎日食べ続ける量だ。朝食に、おやつに、あるいは煮詰めてジャムにしたり。りんごは保存性も高く、冷暗所に置けば、数週間は持つ。
米も、この町の基盤
はれわたり(定期便)は、米だ。果樹栽培が主役の町だが、米もまた、台所の基盤である。定期便という形式は、季節ごとに新しい米が届く仕組み。春の新米、秋の新米。毎月、あるいは隔月で、その時期の最良の米が家に届く。
南部町の返礼品は、季節を分割して、家の食卓に届く。春から夏は桃。秋冬は梨と林檎。そして通年、米が支える。この町の風土が、そのまま食べ方になっている。
