岩木山の麓、りんごの町の冬仕事
弘前の冬は厳しい。年間降雪量が680センチを超える豪雪地帯で、気温は氷点下10℃近くまで下がる。その寒さの中で、この町の農家たちは何百年も前から、りんごを育ててきた。
私がこの町を見るとき、思い浮かぶのは、岩木山の裾野に広がる果樹園の風景だ。江戸時代の城下町として栄えた弘前は、明治になると西洋りんごの栽培を始め、今では全国生産量の約四分の一を占める。「りんご色のまちHIROSAKI」——それは単なるキャッチフレーズではなく、この町の産業、季節、食卓そのものを表している。
葉取らずふじは、その弘前のりんご農家の手仕事を最も体現する一品だ。有袋栽培で丁寧に育てられ、CA貯蔵で冬を越したこのりんごは、届いた時点で既に食べ頃の甘さを持っている。箱を開けた瞬間、りんごの香りが立ち上る。皮は蜜が入った濃い赤。一口かじると、蜜の甘さと酸味のバランスが、この町の冬の手間を物語っている。

家の食卓では、このりんごをそのまま食べるのが最も良い。朝食のテーブルに一個置く。昼間、仕事の合間に一切れ。夜、家族で分け合う。冬の間、毎日のように食べ続けることで、弘前の農家の季節が、自分たちの季節になっていく。
りんごから広がる、四季の食べ方
りんごだけではない。この町の食卓は、りんごを中心に回っている。

無添加りんごジュースは、朝の一杯として、あるいは子どもたちのおやつとして、家に常備する品だ。特別栽培農産物認証農園で育てたりんごを、ストレート果汁100%で瓶詰めにしたもの。冷蔵庫から出して、グラスに注ぐと、濃い琥珀色が光る。砂糖も添加物も入らない、りんごそのものの味わいが、朝の目覚めを清々しくする。

米も、この町の食卓に欠かせない。青森県産まっしぐらは、弘前の冷涼な気候で育つ品種だ。粒が揃い、炊き上がりが白く、冷めても硬くならない。毎日の食卓に、この米があることで、りんごの甘さが引き立つ。ご飯とりんご——弘前の食べ方の基本形だ。
秋から冬にかけて、りんごのお酒シードルも良い。りんごを発酵させた、微かな甘さと酸味のお酒。晩酌の時間に、一本開ける。りんごの香りが鼻を抜け、体が温まる。冬の夜長を、この町の産物とともに過ごす喜びがある。
寄付の先にある、農家の手
これらの返礼品を選ぶことは、単に「弘前のりんごを食べる」ことではない。岩木山の麓で、厳しい冬を越しながらりんごを育てる農家たちの、四季の手仕事に寄り添うことだ。
有袋栽培、CA貯蔵、ストレート搾汁——それぞれの工程に、農家の判断と手間がある。その手間が、家の食卓に届く時には、既に「食べ頃」という形で結実している。
弘前に寄付することは、その手間を支えることであり、同時に、自分たちの食卓に季節と風土を呼び込むことなのだ。
