島の塩風が肉に映る
瀬戸内海の西端、周防灘と伊予灘の境に浮かぶ姫島。東西7km、南北4kmの細長い島全体が村域だ。人口1700人余りの小さな島で、なぜ牛を育てるのか。
島の歴史を遡ると、江戸時代には塩田が開かれ、製塩業が生業だった。その後、塩田跡地で車エビの養殖が始まり、漁業が主幹産業となった。だが島の産業は一つではない。限られた土地で、複数の営みが重なり合う。牛もまた、その一つだ。
離島という環境は、牛の飼育に独特の条件をもたらす。塩分を含んだ海風、限定された飼料、島という閉じた空間での育成。こうした条件下で育つ牛の肉は、本土の牧場とは異なる風味を帯びる。豊後牛の赤身は、そうした島の環境を体に刻んだ肉だ。

A4~A5の霜降りと赤身が混在する肉は、しゃぶしゃぶやすき焼きに向く。肩やモモといった部位は、脂が適度に入りながらも赤身の旨味が前に出る。冬の夜、家族で鍋を囲む時、この肉を湯に通すと、島の塩風が食卓に立ち上る。肉の繊維がほぐれ、口に入った瞬間、淡い甘みと塩気が交わる。
選べる量で、島の牛と付き合う
返礼品は容量を選べる仕組みになっている。500gから2kgまで、家族の人数や食べ方に合わせて選べる。一度に大量に届くのではなく、自分たちのペースで島の牛と付き合える。

小さな島だからこそ、返礼品も家族規模を想定している。都市部の大量消費とは異なる、島の暮らしのリズムが返礼品の設計に反映されている。

姫島は縄文時代から黒曜石の交易で知られ、古代には女島と呼ばれた。その後、塩田、エビ養殖、そして牛。島は時代とともに産業を重ねてきた。今、その牛肉が本土の食卓に届く。それは島の営みが、遠く離れた家庭の夜ご飯になることを意味する。
