朝霧が育てる牛肉の甘さ
秋から春にかけて、球磨盆地にしばしば発生する朝霧。町の名前の由来になったその霧の中で、あさぎり町の黒毛和牛は育つ。寒暖差の大きい盆地の気候が、肉に甘みと締まりをもたらす。
球磨牛のモモは、すき焼き用に200グラムずつ小分けされている。冷凍で届くから、食べたい時に食べたい分だけ解凍できる。モモは赤身が主体だから、脂っこくない。秋口の夜、家族で鍋を囲む時、このモモを薄く広げて、割り下をくぐらせる。肉の甘さが、ほんのり出汁に溶ける。

同じ球磨牛でも、切り落としの600グラムは、日々の台所の相棒になる。牛丼に、炒め物に、すき焼きにも。200グラムずつ三パックだから、週に一度、違う調理法で使える。冷凍庫に常備しておくと、急に肉が食べたくなった時の心強さがある。

米から仕込む、地の焼酎
あさぎり町は球磨焼酎の産地でもある。球磨焼酎「宮原」は、米麹、米こうじ、お米から仕込まれた焼酎だ。選べる内容量は720ミリリットルか1800ミリリットル。晩酌の習慣がある家なら、1800ミリリットルを選んで、毎晩の湯呑みに注ぐ。米の焼酎は、後味がすっきりしている。夜の食卓で、ご飯を食べ終わった後、ぬるめのお湯で割って飲むと、体が温まる。

盆地の冬は冷え込む。そういう季節に、地で作られた焼酎を飲むことは、その土地の冬を体に入れることでもある。
