山越えして届く、焼き肉の主役
熊本県の南端、球磨郡水上村。人吉盆地の最東端に位置し、全体が山地という土地だ。村内に鉄道も高速道路も通らず、人吉市からバスで山道を越えてようやく到着する。そういう遠隔地だからこそ、この村の返礼品は『届く』という事実が重い。
厚切り牛タンは、焼き肉の卓で最初に火にかける肉だ。タンは部位として独特で、歯応えと脂のバランスが焼き加減で一変する。厚切りなら、表面をさっと焼いて中は淡いピンク色に仕上げるのが定番。塩とレモンだけで、肉の甘みが引き立つ。

水上村は山深い土地だが、球磨川が流れ、市房ダムがあり、湯山温泉も湧く。そうした環境で育つ牛の肉が、この厚切りタンになって家の食卓に着地する。焼き肉は家族や友人と囲む食事だ。山奥の村から届いた肉を、自分たちの火で焼く。その時間が、寄付という行為を実感させる。
食べ方の幅を持つ、小分けと食べ比べ
牛タン先のコロコロカットは、同じタンでも部位を変えた品だ。タン先は根元に近い部分で、より濃い味わいがある。400グラムずつ5パックに分かれているので、週に一度の焼き肉、あるいは平日の夜の一品として、無理なく消費できる。冷凍庫に常備しておけば、急な来客時にも重宝する。

3種の食べ比べセットは、厚切り・薄切り・サイコロステーキという三つの切り方で、同じ牛タンの表情を知る返礼品だ。厚切りは焼き肉で、薄切りはしゃぶしゃぶや炒め物に、サイコロステーキは煮込みや丼の具に。一つの部位が、調理法で別の食べ物に変わる。そうした台所の現実を、この村の肉で体験できる。

山越えして届く肉だからこそ、その使い道を丁寧に考える。焼き肉の夜、あるいは平日の夜の一皿。そうした日常の食卓に、水上村は肉を送り届ける。
