海と山に挟まれた、柑橘の町
芦北町は熊本県の南西、八代海に面しながら東側では球磨川が山間を流れる。この地形が、町の食べ物を決めている。
西は漁場、東は山。その間の傾斜地で、昭和24年から甘夏の栽培が始まった。今も日本一の生産量を誇る。デコポンも増えている。これらは単なる「特産品」ではなく、この町の人たちが何十年も手をかけてきた果実だ。
私がこの町を見るとき、思うのは「保存と季節」のことだ。柑橘は冬から春にかけて旬を迎える。だが家の食卓は一年中続く。だから缶詰がある。
甘夏を缶に詰めて、一年の食卓へ
甘夏みかん缶詰は、その町の答えだ。

缶を開けると、甘夏の果肉がシロップに浮かんでいる。これは生の果実とは別の食べ物だ。冷やして食べるのもいい。ヨーグルトに混ぜるのもいい。子どもが学校から帰ってきたとき、さっと出せる。夏の昼下がり、冷たいまま食べるのは、この町の冬の恵みを夏に思い出させる。

缶詰は、旬を逃さない工夫だ。芦北町の人たちは、この果実をどう一年中食べるかを考えてきた。その答えが、この缶の中にある。
デコポンと甘夏の缶詰セットなら、二つの柑橘の味わいを並べて楽しめる。デコポンの濃い甘さと、甘夏のさっぱりした酸味。同じ町で育った二つの果実が、食卓で対話する。

黒毛和牛も、この町の風土が育てた
海と山に挟まれた地形は、牛も育てる。あしきた牛のモモステーキは、この町の黒毛和牛だ。
ステーキは、焼く瞬間が家の台所を変える。脂の香りが立ち上り、肉の表面が色づく。その音と香りは、外食では得られない。家族が集まる食卓で、一枚の肉を焼く。それは季節や曜日を問わない、いつでも来る日常の祝い方だ。
あしきた牛の焼肉詰合せなら、複数の部位を一度に味わえる。脂の乗った部位、赤身の部位。同じ牛でも、部位ごとに焼き方が変わる。その手間が、食卓を丁寧にする。
缶詰と肉、二つの保存食
芦北町の返礼品は、どれも「保存」と「食べ方」がセットになっている。柑橘は缶詰で一年を通す。牛肉は冷凍で、好きなときに焼く。
この町は、海と山の間で、季節の恵みを一年の食卓にどう着地させるかを、長く考えてきた。その知恵が、返礼品に詰まっている。