炭鉱から、台所へ
福智町は筑豊盆地の北東端にある。かつてこの地を支えたのは炭鉱だった。三菱方城炭鉱をはじめ、いくつもの坑口が町を刻んでいた。だが時代は変わり、閉山後、跡地は工業団地へと生まれ変わった。
私がこの町を見ていて感じるのは、その「転換の手際」だ。失われたものを嘆くのではなく、新しい産業を呼び込み、地元の食材を育てる。そうした地道な営みが、今、返礼品として家の食卓に届く形になっている。
福智町のハンバーグは、そうした転換の象徴だと思う。個数を6個から20個まで選べるこの品は、冷凍で届く。解凍して、フライパンで温めるだけで食卓に上がる。平日の夜、子どもたちが待つ食卓に、手早く主菜を置きたい時。あるいは、友人を招いた時に、焼きながら出す。そういう「日常の使い方」を想定して作られている。

牛肉そのものの質感は、ハンバーグという形に仕上げられることで、家庭の調理技術に左右されない。届いた時点で、すでに職人の手が入っている。温めるだけで、その手仕事が家族の口に届く。
米と、山の水
福智町の北東部には福智山(901m)をはじめとする600~700m級の山々が連なる。彦山川と中元寺川の2本の河川が町を貫き、中央で合流する。こうした地形が、米作りに適した水と土をもたらす。
福岡県産の元気つくしや夢つくしといった品種は、容量を2kg~25kgまで選べる。無洗米か精米か、あるいは定期便か、その選択肢も用意されている。

一人暮らしなら2kg。家族が多ければ10kg。季節ごとに新米を試したければ定期便。そうした「食べる側の事情」に合わせて、返礼品が設計されている。米は毎日の食卓に上がるものだからこそ、こうした柔軟さが実用的だ。
焼肉の夜
牛ハラミ肉は、旨辛ダレとねぎ塩の2種が600g~1.2kgで選べる。焼肉は、家族や友人と食卓を囲む時間そのものだ。タレが漬けられた状態で届くので、解凍して焼くだけ。準備の手間が減れば、その分、食べる時間に集中できる。
炭鉱の時代、この町の人々は地下で汗を流した。今、その跡地で育った牛肉を、家族と一緒に焼いて食べる。そうした時間の移ろいが、返礼品の中に静かに刻まれている。
