海と山、標高差1400メートルの食卓
西予市は東西に長く、西は宇和海、東は高知県境の山々に挟まれている。その標高差は1403メートル。海岸部の温暖さと、大野ヶ原の積雪、そして宇和盆地の霧—多様な気候が、この町の農業を形作ってきた。
私がこの町を見ると、まず思い浮かぶのは石垣だ。沿岸地域の柑橘園は、急な斜面に石垣を積み重ねて作られている。その風景は、単なる農業ではなく、世代を超えた手仕事の積み重ねそのものだ。ウンシュウミカン、イヨカン、ニューサマーオレンジ—品種ごとに、この町の柑橘農家は季節を分けて育ててきた。
みきゃんセットは、そうした柑橘の季節を家の食卓に届ける。皮付き、皮なし、数量を選べるのは、食べ手の台所の現実を知っているからだろう。朝食の一皿に、子どもの弁当に、あるいは夜の果物として—柑橘は西予の家庭では、季節の手当てそのものなのだ。

盆地の米、ダムの水が育てる
宇和盆地は、野村ダムと鹿野川ダムの影響で霧が多い。その霧と、盆地の水が、米を育てる。田んぼダム米は、その環境を名前に刻んでいる。コシヒカリの粒は、盆地の霧と水の中で、ゆっくり成熟する。

米は、毎日の食卓の基盤だ。返礼品として届いた時、袋を開けて炊く瞬間—その香りと、粒の立ち方が、この町の水と土を伝える。定期便を選べば、秋から冬にかけて、新米の季節を何度も味わうことができる。
海の恵み、漁師の手仕事
西予の漁業は、ハマチ養殖、ヒラメ養殖、真珠養殖、そしてチリメンの漁獲が中心だ。井上のちりめんは、無選別—つまり、漁師が獲った小魚をそのまま塩漬けにしたものだ。大きさも色も不揃いだが、その不揃いさが、海の現実を物語っている。
ちりめんは、ご飯にかけるだけで、塩辛い海の味が食卓に立ち上る。定期便で選べば、季節ごとの漁の違いを、何度も味わうことになる。春と秋では、獲れるちりめんの質感さえ変わる。
選ぶ時の視点
西予の返礼品を選ぶなら、季節と保存を意識してほしい。柑橘は秋から冬、米は秋から春、ちりめんは通年—それぞれが、この町の生業の時間を反映している。高額な品よりも、毎日の食卓に着地する品を選ぶことが、この町を支える農漁業者の手仕事を、最も直接的に応援することになる。