盆地の水が米を育てる
三次市は、中国山地と吉備高原に挟まれた盆地だ。江の川とその支流が合流するこの地には、広島県内に降る雨の約三分の一が集まるという。豊かな水——それが三次の米を作る。
盆地そだちの米は、その名の通り、この地形が生んだ米だ。三次盆地の標高150~250メートルという位置、冬は仙台や福島と同じくらい冷え込む気候、そして何より豊富な水。こうした条件が、粒の揃った、炊いた時に香りが立つ米を育てる。届いた米を研ぐ時、水が澄んでいることに気づくだろう。それは盆地の水の質を映している。

白米で炊いて、朝の味噌汁の椀に盛る。あるいは、夜の定食の主役として。季節が変わっても、この米は台所の中心にいる。選べるお届け回数という仕組みは、家族の食べるペースに合わせて、いつも新しい米が届くということだ。
霧の町で、酒が熟成する
晩秋から早春にかけて、三次盆地には霧が立ち込める。地元では「霧の海」と呼ぶほどだ。この霧——温度差と湿度が安定する環境——が、酒造りに適している。

山岡酒造の紅白セットは、この町で醸された地酒だ。純米吟醸と純米酒、二本の飲み比べ。冬の晩酌に、あるいは家族が集まる食卓で、盃を重ねる時間が生まれる。米から酒へ——三次の水と気候が、別の形で家に届く。

米と肉、盆地の恵み
広島牛のもも肉も、この地域の産物だ。しゃぶしゃぶで食べるなら、盆地そだちの米で炊いたご飯を、鍋の脇に置く。肉の脂が落ちた出汁で、米が一層香る。季節が冬なら、霧の中で熟成した地酒を傍に。三次の風土が、一つの食卓に集まる瞬間だ。