熊野灘に突き出た二股の崎、その温暖さが育てるもの
太地町は紀伊半島の南西に位置し、熊野灘に突き出た地形のため、気候は温暖だ。リアス式の海岸線に囲まれた太地湾と森浦湾は、古来から捕鯨の町として知られてきた。だが、この町の豊かさは海だけではない。温暖な気候と、町を囲む自然が、季節ごとに異なる果実を育てている。
和歌山産フルーツ定期便は、その季節の顔を毎月、家の食卓に届ける。春から秋にかけて、桃・梨・ピオーネといった旬の果実が、3ヶ月ごとに箱で到着する。届いた時点で食べ頃を迎えているものが多く、冷蔵庫に入れてすぐに切ることができる。桃は朝冷やしたまま、梨は夜間の涼しさの中で冷やして、ぶどうはそのまま手に取って食べる—そうした季節ごとの食べ方が、この町の温暖さと、そこで育つ果実の性質に自然と合致する。

小さな町だからこそ、季節の手当てが丁寧
人口2778人の太地町は、和歌山県で最も面積が小さい。その全域が海と那智勝浦町に囲まれ、1889年の町村制施行以来、合併を繰り返す周辺の町村とは異なり、当時のまま残っている。小さな町だからこそ、農業と漁業が共存し、季節ごとの手当てが丁寧に行われてきた。

定期便で届く果実は、その季節に最も旬を迎えたものが選ばれる。保存の手間を考えると、3ヶ月ごとの配送は、家の台所にとって無理のないペースだ。梨が届く秋口には、冷やしたまま皮を剥いて食べるのが習慣になり、冬に向かう時期には、ぶどうの甘さが日々の疲れを和らげる。そうした季節の移ろいを、果実を通じて感じることができる。
太地町の返礼品は、この町の歴史と現在を同時に映している。捕鯨で栄えた町が、今も海に囲まれながら、温暖な気候の中で育つ果実を、丁寧に家庭へ届けている。その営みは、古式捕鯨の技術と同じく、世代から世代へ受け継がれてきた、この町の生き方そのものなのだ。