熊野川河口の町で、夏の桃が熟れる
新宮は熊野川の河口に位置する町だ。古くは熊野速玉大社の鳥居前町として、また熊野本宮大社への入口として栄えてきた。その熊野川は、奈良・三重・和歌山の山々から流れ下り、この町で太平洋に注ぐ。降水量の多い土地柄、山からの水が豊かに流れ込む。
和歌山産の桃は、そうした水と、太平洋側気候の温暖さが育てた季節の顔だ。6月中旬から8月上旬、旬の時期に届く。桃は日持ちが短いから、届いたその週が食べ頃。冷蔵庫で冷やして、朝食のテーブルに置く。皮をむくと、手に蜜が流れる。一口かじると、夏の日差しがそのまま口に入ってくるような甘さだ。家族で分け合う時間が、その年の夏の記憶になる。

漁場の回遊と、食卓の現実
新宮港と三輪崎漁港は、イワシやサンマの回遊地点にある。また、イセエビ漁も盛んだ。天然紅サケの切身は、そうした漁場の恵みを、家の食卓に届ける形だ。約2kg、18〜22切れという量は、一人暮らしなら2週間分、家族なら1週間分の朝食や夜食になる。

切身は骨を取り除いてあるから、調理の手間が少ない。塩焼きにするなら、朝の準備は5分で済む。グリルで焼くか、フライパンで両面を焼く。脂の乗った鮭は、塩だけで十分だ。ご飯の上に乗せて、味噌汁と漬物があれば、それで朝食が完成する。

季節を追う、定期便の選択肢
3か月の定期便は、桃・梨・ピオーネといった旬のフルーツが毎月届く形だ。新宮の農業は、旧新宮市域ではコマツナなどの葉物野菜が、旧熊野川町域ではユズやジャバラといった柑橘が栽培されている。定期便は、そうした季節の移ろいを、家の食卓で追う選択肢になる。
届いたフルーツは、その月の食べ方を決める。初夏の桃なら、そのまま食べるか、冷やして半分に割って食べる。秋の梨なら、皮をむいて芯を取り、家族で分け合う。冬のピオーネなら、房から一粒ずつ取って、子どもの手に握らせる。毎月、季節の手当てが家に届く感覚だ。
