湾岸工業地帯が育てた、ウイスキーの町
知多市の沿岸部を走ると、大きな工場群が目に入る。ENEOS知多製造所、出光興産の愛知製油所、そしてサントリー知多蒸溜所。この町は高度経済成長期から、重工業と食品製造が共存する産業地帯として発展してきた。その中でも、サントリーが1972年に蒸溜所を構えたことは、知多という地名を世界のウイスキー愛好家に知らしめた。
サントリーウイスキー「知多」と知多の梅酒のセットは、この町の産業史そのものを飲む体験だ。「知多」というシングルグレーンウイスキーは、この蒸溜所で仕込まれ、熟成される。瓶に刻まれた地名は、単なる商品名ではなく、50年以上この地で続く製造の証だ。晩酌の時間に、グラスを傾ければ、知多の工業地帯の歴史が舌に広がる。

丘陵の谷間で、米と水が出会う
一方、市の内陸部は様相が異なる。愛知用水の開通以降、丘陵地の谷間では農業が根付き、フキやペコロスといった野菜が育つようになった。その水脈の中で、地元の蔵人たちは米を仕込んできた。

ちたもんプレミアム滝蔵は、知多の米と水で仕立てた純米酒だ。容量を選べるという仕様は、家族の食卓の大きさに合わせて、この酒が着地することを意図している。1800mlで家族の夜を、720mlで一人の晩酌を。どちらを選んでも、知多の農業と醸造の営みが、食卓に届く。

OKD KOMINKA BREWINGのクラフトビールも、この町の新しい飲み手の層を代表している。古い民家を改装した醸造所という「kominka」の名は、知多の町並みそのものへの向き合い方を示している。メープルとシナモンの香りは、洋風でありながら、知多の秋祭りの夜に似合う。
返礼品を選ぶ、という寄付の形
知多市への寄付は、この町の産業の多様性を認識することでもある。大規模な蒸溜所の精密な仕事も、小さな蔵の手仕事も、新しい醸造所の試みも、すべてが知多という地名の下で続いている。返礼品として届く一本のウイスキー、一本の日本酒、一箱のビールは、それぞれが異なる時間軸と技術を背負っている。寄付者がどれを選ぶかは、この町のどの営みを応援するかという、静かな意思表示になる。