水が育てる、垂井の米
垂井という地名は、古くから「垂井の泉」として歌枕に詠まれた湧き水に由来する。その泉が今も町の中心に在り、相川とその支流が扇状地を潤しながら濃尾平野へ流れ込む。この地形が、垂井の食卓の基盤だ。
垂井町産ミルキークイーンは、その水と土地で育つ米。ミルキークイーンは粘りが強く、冷めても硬くなりにくい品種で、毎日の白飯として、また握り飯や弁当に向く。令和7年産の新米が届くと、まず炊いて、その甘さと粘りを確かめるのが良い。朝の食卓で、ご飯の味わいが変わることに気づく。古代から美濃国の中心として栄えた町の米は、派手さより、毎日食べ続けたくなる実直さを持っている。

定期便を選べば、6ヶ月間、毎月5kgが届く。季節が進むにつれ、同じ品種でも微かに味わいが変わる。秋口の新米の瑞々しさ、冬を越えた米の落ち着き。そうした変化を家の食卓で感じながら、一年の米作りのリズムに寄り添うことになる。
牛肉は、食べ方で選ぶ
垂井町の返礼品に並ぶ牛肉は、飛騨牛だ。町そのものが飛騨地方ではなく、西濃(さいのう)に属するが、この地域の食卓に飛騨牛が届くのは、流通と食文化の自然な結果である。

飛騨牛のバラ肉は、しゃぶしゃぶやすき焼きに向く。薄くスライスされた肉を、熱い出汁や鍋に潜らせ、ほんの数秒で火を通す。脂が甘く溶け、肉の香りが立つ瞬間がある。冬の夜、家族で鍋を囲む時間に、この肉は欠かせない。

一方、赤身のステーキは、焼く。厚みのある肉を塩で味付けし、熱したフライパンやグリルで焼く。中火でじっくり、表面に焦げ目がつくまで。切ると、中はほのかにピンク色。赤身の旨味が、シンプルに立ち上る。これは、一人の晩酌や、特別な日の食卓に向く。
容量と回数が選べるのは、家の食べ方に合わせるためだ。毎月少量ずつ届けてもらうのか、一度にまとめて受け取るのか。冷凍庫の余裕と、食べるペースを考えながら選ぶ。返礼品は、届いた時点で家の台所の一部になる。その後の調理と食べ方まで、想像しながら選ぶことが大切だ。
古い町の、今の食卓
垂井は、古代から美濃国の中心だった。国府が置かれ、聖武天皇が行幸し、中世には中山道の宿場町として栄えた。関ヶ原の戦いの舞台にもなった。そうした歴史の重みは、町の地形と産業に今も刻まれている。
相川の水が育てた米、飛騨から流れてくる牛肉。どちらも、この町に寄付すると家に届く返礼品だ。派手ではなく、毎日の食卓に静かに着地する品々。古い町だからこそ、食べ方の基本を大切にする。そういう食卓の姿勢が、垂井の返礼品には宿っている。