清流の恵みが、毎日の飯になる
郡上市の台所に立つと、水の音が聞こえる気がする。長良川の源流を遡る山々に囲まれたこの町は、降水量が年2600ミリを超える多雨地帯だ。その豊かな水が、田んぼを潤し、米を育てる。私はこの町を『水の町』と見ている。城下町・八幡の町並みを流れる水路、冬の豪雪が春に融けて流れ込む清流——そうした風景の中で、米が作られている。
奥美濃清流米は、その名の通り、清流に育まれたこしひかりだ。5キロか10キロを選べるので、家族の食べ方に合わせやすい。届いた米を研ぐ時、粒がしっかりしていることに気づく。炊き上がりは、甘みが穏やかで、粒立ちが良い。毎日の朝食で、何杯もおかわりしたくなる米ではなく、一杯一杯を丁寧に食べたくなる米だ。冷めても硬くなりにくいので、おにぎりにしても、翌日のお弁当に入れても、米本来の味が残る。

定期便で、季節の米を知る
郡上の米作りは、山の季節に寄り添っている。春の雪解け水、夏の日中の気温差、秋の実りの時間——それらが米の味に映る。郡上産こしひかりの定期便(10キロ×3か月)を選ぶと、その季節ごとの違いを家の食卓で感じられる。初回、2回目、3回目と、同じ品種でも、田んぼの場所や収穫時期によって、微かに味わいが変わる。それは欠点ではなく、この町の風土が米に刻まれた証だ。

冷蔵庫の米びつに、次の便が届く頃合いで前の米を食べ切る——そうした自然なペースが、米を大事にする食べ方につながる。

水と土の物語を、毎日の飯で
大島米も、同じ郡上の水で育った米だ。精米の内容量が選べるので、一人暮らしから家族まで、無駄なく使い切れる。
この町の返礼品には、旅のクーポンや体験チケットもある。冬のスキーや、夏の郡上おどりを訪ねるのも良い。だが、米を選ぶことは、この町の『日常』を家に迎えることだ。毎日、朝と晩、その米を炊く音を聞き、食べる。そうして初めて、郡上という町が、どんな風土を持ち、どんなペースで季節を重ねているのかが、体に入ってくる。
寄付をして、返礼品を受け取る——それは一度きりではなく、定期便なら三度、四度と、この町とのつながりが続く。米を通じて、清流の町・郡上と、ゆっくり付き合う。そういう関係が、ふるさと納税の本来の姿だと、私は考えている。
