山田温泉の麓、里山の米
高山村は長野県の北東、上信越高原国立公園に抱かれた村だ。志賀高原ユネスコエコパークの全域指定を受けた土地で、1982年から推進してきた環境保全型農業が、この村の農業の骨格をなしている。私がこの村を見るとき、温泉街と里山が共存する風景が浮かぶ。山田温泉、五色温泉、七味温泉——複数の温泉が湧く地形は、地下水が豊かであることを意味する。その水が、米作りを支えている。
ミルキークイーンの白米は、そうした環境の中で育つ。ミルキークイーンは粘りが強く、冷めても硬くなりにくい品種だ。届いた米を炊くと、粒がやや丸く、白さが際立つ。朝の食卓に盛ると、その白さが目に入る。おかずを選ばない米だから、毎日の食事に溶け込みやすい。

環境保全型農業とは、化学肥料や農薬を減らし、土の力を生かす農法だ。高山村がこれを1982年から推進してきたというのは、日本の農業史の中でも先進的な取り組みだった。その積み重ねが、この米の背景にある。米粒の一つひとつが、その土地の水と手間の結果だ。
食卓への着地
白米5キロは、二人暮らしなら約3週間分。毎日の朝食に、昼の弁当に、夜の一杯に。季節が変わっても、この米の粘りと白さは変わらない。冷蔵庫の野菜室に立てて保存すれば、湿度を避けられる。夏場でも、秋口でも、米の風味が落ちにくい。
高山村の米は、派手さを求める食卓ではなく、毎日を支える食卓のためにある。温泉地の宿で出される朝食のように、素朴で、確かな味わい。その村の水と土が、家の食卓に届く。それが、この返礼品の本質だ。
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