山の麓で、酒が生まれる理由
駒ヶ根は、中央アルプスと南アルプスを望む伊那谷の町だ。天竜川の河岸段丘に位置し、山からの清冽な水が流れ込む。この地形が、江戸時代から酒造りを支えてきた。三州街道の宿場町として栄えた赤須上穂宿の時代から、この町の台所には酒がある。
現在、駒ヶ根で最も象徴的な酒は 養命酒のクラフトジン「香の森」 だ。養命酒製造の唯一の工場がこの町にあり、薬用酒の製造技術を活かしたクラフトジンが生まれた。ボタニカルを丁寧に漬け込み、山の香りを瓶に詰めたもの。ソーダで割れば、夏の晩酌に。ストレートで冷やせば、山の空気を思い出させる。家の食卓に届いた時、この町の水と風が一緒に来たような感覚を覚える。

純米蔵の矜持、そして新しい試み
この町には、日本で五番目の「純米蔵」がある。長生社だ。純米酒だけを造る蔵の決断は、商業的には厳しい。だが、米と水と時間だけで酒を仕込む職人の美学がここにはある。
一方で、駒ヶ根は新しい酒の実験地でもある。南信州ビール「Ogna」の飲み比べセット は、地ビール文化の広がりを示している。クラフトビールの多様性は、この町の産業の多様性を映している。精密機械、電機、そして酒造。異なる技術が共存する町だからこそ、新しい酒の形も生まれやすい。

米と、酒の循環
駒ヶ根の稲作は、この町の基盤だ。特別栽培米コシヒカリ は、丁寧に育てられた米。無洗米で届くから、研ぐ手間もなく、そのまま炊ける。白く炊き上がった米を食べながら、その夜は 養命酒の高麗人参酒 を小さな盃に注ぐ。米と酒、この町の二つの顔が食卓で出会う。
駒ヶ根に寄付すると、こうした循環が家に届く。山の水で育った米、その米から生まれた酒。アルプスの麓の町の営みが、あなたの台所に着地する。
