日本海側の冬、柿を干す季節
志賀町は能登半島の西側、日本海に大きく開けた町だ。冬には雨や雪の日が多く、降水量は北陸の中では少ないという、独特の気候を持つ。この季節の乾いた風と、適度な湿度が、柿を干すのに最適な環境をつくる。
秋から冬へ移ろう時期、町の農家の手には、皮を剥いた柿が並ぶ。ころ柿は、その名の通り、丸くころんとした形のまま干される。一つ一つ手で皮を剥き、軒先や物干しに吊るす。毎日、風に揺られながら、柿の水分は徐々に抜けていく。白い粉がふく頃合いを見計らって、手で揉んで形を整える。この繰り返しが、甘さを凝縮させ、独特の食感を生み出す。

届いた干し柿は、そのまま食べるのが最も素朴だ。朝食の一品として、あるいは午後の茶請けとして、口に入れると、柿本来の甘さが、ゆっくり広がる。冬の日中、日が当たる窓辺で食べるのもいい。硬さが残る食べ始めから、時間とともに柔らかくなっていく変化も、干し柿の魅力だ。
能登の水と土が育てた果実たち
志賀町の農業は、この地の地形と深く結びついている。福野平野という平地を持ちながらも、山地に囲まれた地形が、水の流れと土の質をつくってきた。こうした環境で育つ果実は、単なる甘さだけでなく、季節の手当てを受けた深みを持つ。

羅皇スイカのような特別な品種も、この町の農家の手によって育てられている。赤と黄色の二種類が届く喜びは、夏の食卓に彩りをもたらす。切った時の香りの立ち方、種の周りの甘さの濃さ——こうした細部は、育てた人の季節への向き合い方を物語っている。

日本海の恵みを酒に
志賀町は、かつて福浦港という重要な港を持ち、渤海との交易の拠点でもあった。その歴史の中で、この地の水と米が、酒造りの文化を育んできた。竹葉の大吟醸は、能登の水と米が出会った時に生まれる、透明感のある一杯だ。晩酌の時間に、冷やして飲むと、日本海側の冬の空気が、グラスの中に映るようだ。
返礼品を選ぶことは、この町の季節の手仕事を、自分の食卓に招くことでもある。干し柿の甘さ、スイカの瑞々しさ、酒の透明感——それぞれが、志賀町の風土と人の手が重なった時間を、家の中に運んでくる。
