3.47平方キロメートルの米作り
舟橋村は日本で最も面積が小さい基礎自治体だ。富山市から車で20分ほどの距離にありながら、村は自立を守り続けている。その小さな土地の約半分は水田。富山平野のほぼ中央、常願寺川の右岸に広がる田んぼで育つのが、舟橋のコシヒカリだ。

選べる内容量と発送回数が用意されているのは、この村の米を「日常の食卓に」という想いからだろう。300グラムから始まる選択肢は、一人暮らしや少人数世帯の現実に寄り添っている。毎月届く定期便を選べば、新米の季節から冬へ、春へと、その時々の米の表情を家の炊飯器で感じることになる。白く盛られたご飯の粒の立ち方、噛んだときの甘さの出方は、産地の水と土と手が決める。
寿司職人の手が握る、富山の味
同じ富山平野で育つ米を握る手がある。手作りの鱒寿司は、北水という事業者が一段ずつ仕立てる郷土料理だ。富山湾で獲れた鱒を塩漬けにし、酢飯に乗せ、笹で包む。この作り方は江戸時代から変わらない。

届いた箱を開けると、笹の香りが立ち上る。一段は三貫。家族で食卓を囲むとき、あるいは来客をもてなすとき、この寿司は「ハレの日」の食べ物として機能する。冷蔵で保存でき、そのまま食べられる手軽さも、現代の台所には実用的だ。

小さな村の、大きな手仕事
昆布締めの刺身セットも、馬場屋という事業者の手による。甘エビとカジキを昆布で締める。この技法は、新鮮さを保ちながら、素材の味を引き出す。100グラムと180グラムという少量の設定は、「試してみたい」という気持ちを大事にしている。
人口3000人余りの村では、一つの事業者の手仕事が、その村全体の顔になる。米を作り、それを握り、海の幸を締める。小さな地域だからこそ、各々の仕事が見える距離にある。寄付という形で、その手仕事を支えることは、村の営みそのものを支えることになる。
