砂丘が育てた米、毎月届く
聖籠町は新潟東港を抱える工業の町だ。精密機械や食品加工の大工場が立ち並び、県内の町村としては最大の製造品出荷額を誇る。だが同時に、この町は越後平野の沿岸部に位置し、何列もの新潟砂丘が町域を横断している。工業化が進む前、この砂丘地帯は農業の舞台だった。今も、サクランボやブドウ、梨、桃といった果物が栽培され、県の農業総合研究所 園芸研究センターが町内に置かれている。
新潟県産コシヒカリの200g定期便は、その農業の底力を毎月の食卓に届ける。200グラムという量は、一人分、あるいは二人の晩ご飯の量だ。毎月、新しい米が家に着く。春から初夏にかけての新米、秋口の秋米、冬を越した古米へと、季節ごとに米の表情が変わる。定期便を選ぶことで、同じ産地の米を通年で食べ続けることができる。

砂丘地の米は、水はけがよく、昼夜の気温差が大きい。そうした条件下で育つコシヒカリは、粒が立ち、甘みが引き締まる傾向にある。毎月200グラムずつ、その違いを感じながら炊く。冷めても硬くなりにくい米質は、おにぎりにも、翌日の雑炊にも向く。
工業港の町が、なぜ農業を守るのか
聖籠町の人口は県内市町村の中でも減少率が最も小さい。東港工業団地の豊富な雇用と、新潟市からの近さが要因とされている。だが同時に、この町は農業を手放さなかった。昭和50年代までは農業を主としていたが、工業化が進んでも、果樹栽培は続いた。米も同じだ。
定期便という仕組みは、産地と食卓の距離を縮める。毎月、同じ産地の米が届くことで、その土地の季節が家の中に流れ込む。聖籠町の砂丘で育った米を、一年かけて食べ続ける。それは、この町の農業の営みに、毎月、向き合うことでもある。
