水と暮らす町の、うなぎの焼き方
埼玉県の東部、江戸川と古利根川に挟まれた松伏町。南北に長く、ほぼ平坦な地形は、かつて下総台地の一部だった。今も町を縦横に走る用水路や排水路の名前を見ると、この土地がどれほど水と向き合ってきたかが分かる。二郷半領用水路、清水用水路、金杉大排水路——農業と治水が町の骨組みだ。
そうした水辺の町で、川昌の炭火蒲焼きは、ひとつの答えのように思える。国産のうなぎを炭火で焼く。その手間と技術は、単なる調理ではなく、この町の風土への応答だ。

届いたら、まず冷蔵庫で自然解凍。夏の晩酌の準備は、朝のうちに始まる。夕方、温め直す時が来たら、蒲焼きの上からそっと水を一滴。フライパンの弱火で、身がふっくら戻るまで。タレの香りが立ち上がる瞬間、台所は一気に夏らしくなる。白いご飯の上に乗せて、あるいは酒の肴として。炭火で焼かれたうなぎの身は、家庭の火では決して出せない香ばしさを持ったまま、あなたの食卓に着地する。
地元の酒で、季節を重ねる
同じ町から、まつぶし誉という日本酒も届く。特別純米酒、精白歩合60。のどごしがすっきりという説明だが、それは飲んでみて初めて分かることだ。

一升瓶は、一人の晩酌なら一ヶ月近く。季節が変わる間、毎晩同じ酒を傾けることで、その土地の水と米がどう表現されているかが、ゆっくり見えてくる。冷やして飲む初夏から、ぬる燗で飲む秋口まで、温度を変えるたびに違う顔を見せる酒。そういう酒こそが、家の食卓に根を張る。

うなぎと酒。どちらも、この町の水が育てた恵みだ。
