工業団地から食卓へ、嵐山町の現在地
嵐山町は埼玉県の中部、比企郡に位置する人口約1万8千人の町だ。京都の嵐山に似た渓谷風景から「武蔵の小京都」と呼ばれ、中世には源義仲や畠山重忠といった武将ゆかりの地として知られている。だが現在の町の顔は、むしろ工業だ。
町の中央部には嵐山花見台工業団地が広がり、凸版印刷や松屋フーズなどの工場が立地している。松屋フーズの埼玉工場は、この町で日々、牛丼の具を製造している。つまり、松屋の牛めしの具 20袋は、嵐山町で作られたものが、そのまま返礼品として家に届く。産地と工場が一致する、珍しい返礼品だ。

冷凍庫に常備する、日常の一品
届いた箱を開けると、135グラムずつ小分けされた冷凍パックが20袋。一袋は一杯分の牛丼の具だ。朝、ご飯を炊いて、パックを湯煎か電子レンジで温める。5分もあれば、玉ねぎと牛肉の香りが立ち上る。
この返礼品の使い方は、グルメな一皿ではなく、むしろ「台所の常備菜」に近い。子どもが帰宅して「お腹すいた」と言った時。夜遅く帰った夫が軽く食べたい時。朝、時間がない朝食。そういう日常の隙間を埋める食べ物として、冷凍庫に20袋あると、心強い。
国産牛を使った特上仕様とのことだが、ここで大事なのは「特上」という言葉ではなく、毎日食べても飽きない、素朴な味わいだということだ。玉ねぎの甘さ、牛肉の塩辛さ。何度も食べた味だからこそ、家族みんなが受け入れやすい。
嵐山町の産業が、食卓に着地する
嵐山町は観光地としても知られているが、実際の生業は工業だ。その工業が、食卓に直結する返礼品として形になっている。工場で毎日作られているものが、寄付者の家の冷凍庫に入る。そういう透明性と、町の現在地を素直に表現した返礼品だと思う。
同じく町の返礼品には、松屋の牛めし・豚めし・カレーの20個セットもある。こちらは味の選択肢が広がり、家族の好みに応じて使い分けられる。また、肉汁うどんと地元の日本酒のセットは、晩酌の時間に嵐山町を思い出させる組み合わせだ。

だが、この町を最も体現するのは、やはり松屋の牛めしだ。毎日、工場で作られ、毎日、どこかの家の食卓に上る。そういう地味で、確実な営みが、嵐山町の今を作っている。