台所に、季節の仕込みが一度に
関越自動車道と川越街道が交差するふじみ野市。物流と工場の町として、埼玉県南西部の産業を支えてきた場所だ。東京心部から30km圏内、東武東上線で都心へ向かう通勤者たちの日常の中に、この市はある。
そうした実用的な土地だからこそ、台所の手当ても実用的だ。海鮮キムチ7個セットは、白菜、タコ、イカ、サキイカ、イカナンコツ、チャンジャ、のりという七つの発酵食を一度に届ける。それぞれが異なる塩辛さ、異なる食感を持ち、冷蔵庫に入れば一週間の食卓の「もう一品」になる。

朝食の白いご飯に白菜キムチ。昼の弁当に、タコキムチを箸休めに。晩酌の時間には、イカナンコツの歯ごたえが酒を呼ぶ。のりは、そのまま手で裂いて口に入れても、ご飯に巻いても。チャンジャは、冷奴の上に乗せれば、豆腐が別の料理に変わる。
発酵食は、届いた日から食べられるが、冷蔵庫の中で日々味が深まる。一週間目と二週間目では、塩辛さの角が丸くなり、素材の旨味が前に出てくる。そうした変化を、毎日の食卓で感じながら食べ進める。
実用の町から、手仕事の味へ
ふじみ野市は、2005年に上福岡市と大井町が合併して誕生した。旧上福岡市は戦前から鉄道駅を中心に市街化が進み、戦後は日本住宅公団による団地建設で急速に都市化した。一時期、全国で最も人口密度が高い市として知られたほどだ。旧大井町は、川越街道沿いの集落から始まり、関越自動車道の開通とともに物流・工場の集積地へと変わった。

両地域とも、東京への通勤圏として、また産業の集約地として、効率と実用を優先してきた土地である。その中で、海鮮キムチのような発酵食の手仕事が返礼品として選ばれているのは、都市生活の中で「手当てされた食」への渇望を映しているのかもしれない。
冷蔵庫に常備する発酵食は、毎日の食卓を支える。白菜キムチは、炒飯の具になり、スープの具になり、豚肉との炒め物の主役にもなる。タコやイカは、そのままつまみになるだけでなく、細かく刻んで卵焼きに混ぜたり、うどんの上に乗せたりできる。のりは、おにぎりの具にも、味噌汁の具にもなる。
七つの品が一度に届くことで、台所は一週間分の「もう一品」を手に入れる。それは、毎日の食事を整える手間を少し減らし、食卓に色と塩辛さと歯ごたえをもたらす。実用の町から届く、実用的で、しかし丁寧な発酵食の手仕事。それが、ふじみ野市の返礼品の顔だ。