川と平野に囲まれた町だからこそ、海が遠い
玉村町は利根川と烏川に挟まれた平野部の町だ。江戸時代には日光例幣使街道の宿場町として栄え、今も町の中心は下新田という旧宿場地。北は洪積台地、南は沖積低地と、水が集まりやすい地形をしている。冬の「からっ風」が吹き抜ける群馬南部の気候の中で、この町の人たちは何百年も、川の恵みと農の営みで暮らしを立ててきた。
海は遠い。だからこそ、夏の夜に海の幸を炭火で焼く時間は、この町の食卓では特別だ。海鮮BBQセットが届くと、えび、イカ、ホタテ、つぶ貝、シマホッケ——北の海から運ばれた素材たちが、家の庭やベランダの炭火の上で音を立てる。焼けたえびの殻がはじけ、ホタテの貝柱が白くなり、イカの足がくるりと丸まる。その香りは、川沿いの町にいながら、一瞬だけ海辺に立つ感覚をくれる。

夏の夜、家族で囲む炭火の時間
2~3人前というサイズ感は、玉村町の家族の食卓にちょうど良い。準備は最小限——網を用意して、火をおこして、素材を並べるだけ。焼きながら食べる、その場で塩をふる、レモンを絞る。子どもたちも大人も、炭火の前では同じ目線で食べ物と向き合う。
利根川の流れが聞こえる夜、烏川を挟んで隣町の灯が見える季節に、この町の人たちは何度も、こうして海の幸を囲んできたはずだ。ふるさと納税を通じて、その時間をもう一度、家に呼び戻す。それが、この返礼品の本質だと私は考える。