冷凍ブルーベリーが、夏から冬へ橋渡しする
小美玉市は、三つの町村が2006年に合併してできた市だ。小川、美野里、玉里——それぞれが異なる風土を持ち、今も農業の顔が違う。その中で私が推したいのは、冷凍ブルーベリーである。

理由は単純だ。この市の返礼品の中に、ブルーベリーが複数ある。ワインにもジャムにもなっている。つまり、この地で育つブルーベリーは、単なる季節の果実ではなく、加工・保存・活用の全段階を通じて、台所の一部になっているということだ。
冷凍で届く1キロは、夏の盛りを瓶詰めにしたようなものだ。朝のヨーグルトに混ぜる。パンケーキの上に散らす。冬、ジャムを煮詰める時の下地にもなる。一度に使い切る必要がなく、引き出しから取り出して、その日の気分で食卓に着地させられる。無農薬・有機栽培という背景も、毎日口に入れるものだからこそ、家の人間は安心できる。
米と野菜が、三つの地形を物語る
小美玉の農業は、地形に沿って分かれている。小川地区はニラとイチゴの産地。美野里地区は酪農が盛んで、ヨーグルトやアイスクリームも作られている。そして玉里地区——霞ヶ浦に面した低地では、米と蓮根が育つ。
ミルキークイーンは、その玉里の米だ。10キロ単位で届く白米は、毎日の食卓の基本になる。ミルキークイーンという品種は、粘りが強く、冷めても硬くなりにくい。つまり、朝炊いたご飯が、昼の弁当でも、夜の雑炊でも、その食感を保つ。家族の食べ方に合わせて、米が応えてくれる品種選びだ。

干し芋も、この市の台地が生んだ保存食だ。紅はるかという品種のさつまいもを干したもので、甘さが凝縮している。おやつとしても、煮物の甘みの足しにもなる。季節を越えて、家の食卓に着地する。
常陸牛と、ブルーベリーワイン
常陸牛の小間切れ肉は、茨城県共通の返礼品だが、この市で受け取ると、地元の野菜や米と組み合わせて調理する現実が生まれる。焼肉にも、煮物にも。1キロは、家族の食卓で数日分の主菜になる。
ブルーベリーワインは、この市で育つブルーベリーを、別の形で家に迎える選択肢だ。晩酌の時間に、この地で育った果実の香りが立ち上る。セットに含まれるジャムは、パンに塗る朝食の時間を彩る。
小美玉は、空港を持つ市だが、その顔は農業にある。三つの地形が、三つの産業を育てた。その産業が、返礼品として家に届く時、それは単なる『もらい物』ではなく、その土地の季節と手間が、自分の台所に着地する瞬間になる。
