湖畔の米作りが、食卓に届くまで
霞ヶ浦を南東に臨むかすみがうら市は、水に恵まれた土地だ。北部には恋瀬川や天の川が流れ、中央を常磐線が走り、市域の一部は水郷筑波国定公園に含まれている。こうした地形が生んだのが、この地の農業の厚みである。
レンコンは土浦市と並んで日本一の生産量を誇り、梨は県内最大。ブドウ、柿、栗、イチゴ、ブルーベリーと、市は「フルーツアイランド」として知られている。だが、その土台にあるのは米だ。水田が広がり、季節ごとに色を変える風景の中で、かすみがうら市産コシヒカリは育つ。

届いた5キロの精米を、家の米びつに移す。夏から秋へ、秋から冬へと季節が移る中で、毎日の食卓に上る。朝の味噌汁の椀に、夜の定食の白い盛りに。米は、その土地の水と土を、最も素直に食べ手の口に運ぶ食材である。かすみがうら市の場合、それは霞ヶ浦の水系が育んだ米であり、湖畔の平野で何世代も続いてきた営みの結果だ。
保存と使い切りの現実
精米5キロは、一人暮らしなら1ヶ月強、家族なら3週間程度の量。冷暗所に置けば、季節によって保ちが変わる。夏場は虫が入りやすいため、米びつの蓋をしっかり閉じ、時折天日干しをする。冬なら、そこまで神経質にならずとも、涼しい納戸に置いておけば十分だ。
この量感が、実は大事である。ふるさと納税の返礼品として届く米は、しばしば10キロ単位で選ばれる。だが、家族の人数や食べるペースを考えると、5キロは使い切りやすく、新しい米を試す敷居も低い。毎月、あるいは季節ごとに異なる産地の米を食べ比べるという楽しみも生まれる。
かすみがうら市の米は、その土地の水と歴史を背負っている。霞ヶ浦に面し、恋瀬川や天の川の水を引いた水田で育った米。それを毎日の食卓に迎え入れることは、単なる食料調達ではなく、その土地とのつながりを、季節ごとに更新していく行為なのだ。
