久慈川と街道が交わる町の、肉の話
常陸大宮は、茨城県北西部の八溝山地の東麓に位置する町だ。面積の6割が森林で、市の東部を久慈川が北から南へ流れている。江戸時代、この川と街道の要衝として栄えた大宮は、水戸と奥州を結ぶ南郷街道の宿場町だった。今も国道118号が市街地を貫き、その沿線に商業施設が立ち並ぶ。
この町で育つ牛が瑞穂牛だ。赤身の肉質が特徴で、ステーキやすき焼きの返礼品として届く。私が推したいのは、瑞穂牛のモモステーキだ。

理由は単純だ。赤身のモモ肉は、家の食卓に最も自然に着地する。ステーキとして焼くなら、厚さ2cm程度に切り、塩と黒こしょうをふって、熱したフライパンで両面を焼く。赤身は火の通りが読みやすく、焼き加減の失敗が少ない。焼き上がった肉を皿に移し、数分休ませてから切ると、肉汁が逃げない。550gあれば、夫婦で晩酌の肴にもなるし、家族4人の夕食の主菜にもなる。冷凍で届くので、食べたい日の前夜に冷蔵室に移して解凍する。その手間も、家の台所の現実に合っている。
赤身肉は、脂身の多い和牛とは違う食べ方がある。焼きすぎると硬くなるから、中火でゆっくり、表面に焼き色がついたら火を止める。そうすると、肉の中心は淡いピンク色のままで、かみしめると肉の味が濃く感じられる。瑞穂牛のモモは、そういう焼き方に応える肉質だと思う。
すき焼きと焼肉、季節の食べ方
同じ瑞穂牛でも、すき焼きセットは冬の食卓向けだ。モモ、肩、ランプなど複数部位のスライスが700g入っている。鍋を囲む季節に、割り下を張った鍋に肉を入れ、野菜と一緒に煮る。赤身のスライスは火が通りやすく、すき焼きの食べ方に適している。

ハラミの味付け肉は、焼肉の定番だ。1kg、2kg、3kgから選べるので、家族の人数や食べる頻度に合わせられる。味付けが済んでいるから、解凍して焼くだけ。夏の庭でのバーベキューや、休日の昼食に重宝する。小分けされているのも、毎回新しい肉を焼く楽しみになる。
米も、この町の基本
常陸大宮は農業が産業の中心だ。コシヒカリは、5kg、10kg、15kgから選べる。令和7年産、令和8年産の選択肢もある。毎日の食卓に米は欠かせない。瑞穂牛のステーキを焼いた夜、その肉汁をご飯に染み込ませて食べる。そういう当たり前の食べ方が、この町の返礼品の本質だと思う。
