分水嶺の村で、米が金賞を重ねる理由
天栄村は奥羽山脈の分水嶺をまたぐ、東西36kmの細長い村だ。太平洋側は阿武隈川水系、日本海側は阿賀野川水系。古くから会津と中通りを結ぶ交通の要衝だったこの地は、山越えの道を歩む人たちの足を支えてきた。
その米が、国際的な食味分析鑑定コンクールで9年連続の金賞を受けた。自然農法で育ったコシヒカリは、無農薬で丁寧に作られている。冬は610cmの降雪に覆われ、年平均気温は9.1℃。厳しい気候が、米の粒を引き締める。春の雪解け水、夏の日照、秋の冷え込み——分水嶺の両側から流れ込む水と、山に守られた盆地の季節が、この米を作る。

届いた精米を炊けば、粒が立つ。冬の朝食の温かい飯椀に、この米の芯の甘さが映る。玄米で届けば、自分の手で精米する時間も返礼品に含まれる。
地元の水で仕込む、二つの酒
同じ水系で育つ酒がある。廣戸川の普通酒は、松崎酒造が仕込む。720mlの瓶は、晩酌の相棒として、あるいは冬の夜の一杯として、台所に置かれる。1.8Lの同じ廣戸川は、家族で季節を重ねる量だ。

米と酒。分水嶺の両側から流れる水が、同じ村で米になり、酒になる。その循環を、食卓で味わう。それが天栄村の返礼品の本質だ。
