原野から肥沃へ。水が変えた郡山の食卓
郡山の食卓を語るなら、まず水の話をしなければならない。江戸時代、この地は「安積三万石」と呼ばれた原野だった。人口5,000人の小さな宿場町を囲むのは、秣場と荒れた土地。水が足りなかったのだ。
明治10年、政府はこの不毛の地に目をつけた。猪苗代湖から山を越えて疏水を引く——日本初の大規模国家プロジェクトが始まった。延べ85万人が3年かけて掘った水路は、やがて農地を潤し、水力発電を生み出し、工場を呼び込んだ。郡山は急速に肥沃な土地へ、そして商工業都市へと変わっていった。
その水が育てた現在の郡山の食卓に、うねめ牛のステーキは自然に着地する。A5等級の赤身が、140g×5枚。冷蔵庫に届いた時点で、すでに晩酌の計画が立つ。

赤身の旨さを、シンプルに焼く
うねめ牛は郡山産の黒毛和牛。安積開拓で開かれた肥沃な土地で育った牛の肉は、脂の乗り方が穏やかで、赤身の甘みが際立つ。ステーキなら、塩とペッパーだけで十分だ。
夜、フライパンを熱して、肉を入れる。表面が焼ける音。中火で3分、返して2分。肉汁が落ち着くまで休ませて、切る。赤身の繊維がほぐれ、口の中で肉の旨みが広がる。ご飯があれば、それで十分な夜になる。140gは、一人の晩酌にちょうどいい量。5枚あれば、週に一度、その夜だけ特別な食卓が作れる。
郡山の酒と、一緒に
郡山の返礼品には、酒も多い。渡辺酒造の大吟醸と吟醸のセットや、笹の川酒造の焼酎。どれも、この町で仕込まれた酒だ。

うねめ牛のステーキには、冷えた日本酒が合う。大吟醸の華やかさより、吟醸の素朴な米の香りが、赤身の旨みを引き立てる。焼酎なら、ロックで。肉の脂を洗い流し、次の一口へ。
郡山は、安積疏水の水で農業を開き、工業を育てた町だ。その同じ水が、今も牛を育て、米を育て、酒を仕込んでいる。返礼品を選ぶなら、その風景を一度、思い浮かべてほしい。台所に届いた肉を焼く時、その背景にある明治の大事業と、現在の郡山の食卓が、一本の線でつながる。