閖上漁港の、小さな営みが食卓に
名取市の東、太平洋に面した閖上。ここは港町だ。1929年に開設された閖上港は、今も小ぶりながら漁の営みを続けている。仙台空港という大きな施設を市内に抱えながらも、この町の顔は海にある。
私がこの町を見ているのは、そういう二面性だ。西は丘陵、東は平野と海。高舘丘陵や愛島丘陵の宅地開発で新しい住民が増える一方で、閖上は2011年の震災で大きな被害を受けながらも、漁業という古い営みを守り続けている。その営みが、冷凍の形で家の食卓に届く。それが 閖上の煮魚セット だ。

金目鯛、目鯛、かれい、さば。四種類の魚が、それぞれ煮付けの状態で冷凍されている。レンジで温めるだけで、夜ごはんの一皿になる。調理の手間はほぼない。だが、その魚たちは閖上の漁師が引き上げたものだ。小さな港だからこそ、顔の見える距離で獲られた海の幸である。
冬の夜、仕事から帰ってきた時間帯。パッケージを開けて、レンジに入れる。五分か十分で、湯気が立ち上る。白いご飯の上に、照りのある煮魚を乗せる。味噌汁があれば、それで十分な晩酌になる。季節が変わっても、この小さな港の営みは続く。
港町の、もう一つの食べ方
同じく閖上から届く 海鮮の包み焼きセット もある。銀鮭、目鯛、ぶり、鰆。こちらは焼く形で仕立てられている。包み焼きというのは、魚と野菜をアルミホイルで包んで加熱する調理法だ。レンジでも、オーブンでも、フライパンでも温められる。家の台所の事情に合わせて、食べ方を選べる。

包み焼きは、魚の身がしっとり仕上がる。蒸し焼きに近い状態になるため、煮付けとは違う食感が生まれる。同じ港の魚でも、調理法で表情が変わる。冷凍という形式だからこそ、複数の食べ方を一度に家に迎えることができる。

名取市は、仙台市に隣接し、仙台空港を擁する、都市的な側面が強い町だ。だが、その東の端には、古い漁港がある。そこで獲られた魚が、冷凍という現代的な流通の形で、あなたの食卓に着く。それは、この町の歴史と現在が、一つのパッケージに詰まった状態だと言える。