冬の海が、毛ガニを濃くする
枝幸町の台所は、冬に始まる。オホーツク海南部から南下してくる流氷が、海洋プランクトンを運んでくる季節。その栄養を摂取して育つ毛ガニは、身入りが良く、濃厚なカニ味噌を持つ。籠漁で日本一の漁獲量を誇るのは、この海の条件があるからだ。
私がこの町を見ているのは、「漁業の町」というより「冬の海と人が地続きの町」として。山が海に迫り、平地は海岸沿いと川沿いに限られた地形。そこで何百年も、人は流氷の季節を待ち、その恵みを受け取ってきた。毛ガニはその象徴だ。
届いた時から、食卓の主役
海鮮ザンギ4種は、その毛ガニを含む、枝幸の漁場から上がる四つの海の幸を、揚げた形で家に届ける。カスベ、鮭、ホタテ、タコ。どれも、この町の水揚げの顔だ。

冷凍で届くから、晩酌の支度は簡単。凍ったまま揚げ直すか、自然解凍して温め直すだけで、枝幸の漁場の味が食卓に着地する。毛ガニの身の甘さ、鮭の脂、ホタテの貝柱の大きさ—これらは、この海域の冷たさと栄養の濃さを、そのまま食べることだ。

特にホタテは、夏でも冷たい海域のために貝毒の発生が少なく、栄養も豊富。国内消費だけでなく、中国やフランス、北米にも輸出される貝柱の大きさが、ここでも活きている。ザンギにすることで、その食感と甘さが、揚げた衣の中に閉じ込められる。
小さな町の、大きな漁場
枝幸町の人口は約7800人。だが、この町が水揚げする魚介類の種類と量は、その規模をはるかに超える。鮭の水揚げは日本で十指に数えられ、乾燥ナマコは「枝幸産北海キンコ」として生産量日本一。カレイ、リシリコンブ、ウニ、タコ—毎日、何かが上がっている。
その多様さは、この町の台所にも映る。ザンギの四種は、その日常の一部に過ぎない。だからこそ、この返礼品を選ぶことは、単に「美味しいものを食べる」のではなく、「この町の漁場の営みに、自分の食卓を接続する」ことになる。
冬の流氷が去った後も、枝幸の海は働き続ける。その仕事の手応えを、家で感じる。それが、この町からの返礼品の本質だ。
%20center%20area%20Aerial%20photograph.1977.jpg?width=900)