夏の光が土に落ちて、秋の米になる
北竜町を訪ねたことがなくても、その名前を聞くと浮かぶのはヒマワリだ。日本最大規模の作付面積を誇る向日葵畑は、夏の盛りに町全体を黄金色に染める。だが、その同じ土地で、米も育っている。
空知地方の北部、雨竜川の西岸に広がるこの町の農業は、ヒマワリだけではない。ななつぼしやおぼろづき、きたくりんといった北海道を代表する米の品種が、同じ畑の輪作の中で育てられている。ヒマワリが咲き終わり、その種子が食用油に加工される季節には、隣の区画で稲が頭を垂れている。
ななつぼしは、この町の米作の中心品種だ。粒が揃い、炊くと白く輝く。冷めても硬くなりにくく、朝炊いたご飯が昼の弁当箱でも、夜の食卓でも、その味わいを保つ。北海道米の中でも食べやすさで知られ、毎日の食卓に迎える米として、この町の農家たちが選んできた品だ。

試す、という選択肢の中に、季節がある
返礼品は「お試し」という名で、6合と2キロの組み合わせで届く。これは、一度の寄付で、米の食べ方を試す時間をくれる。
6合は、一人暮らしなら数日分。小さな炊飯器で、毎朝のご飯を炊く。その間に、米の粒の立ち方、炊き上がりの香り、冷めた時の食感を、自分の台所で確かめることができる。2キロは、家族がいる食卓なら一週間から十日。朝昼晩、毎食のご飯として、その米がどう着地するかを見守る時間だ。
北竜の米は、ヒマワリの町の夏の光を浴びた土から生まれている。その土の記憶は、一粒一粒に詰まっている。試す、という行為の中に、その町の季節が入り込む。
おぼろづきやきたくりんも、同じ町の同じ土から育つ。品種によって、粒の大きさ、甘さの出方、冷めた時の食感が微かに異なる。複数の品種を試すことで、自分の食卓にどの米が合うのか、その答えが見えてくる。それは、北竜という町を、食べながら知ることでもある。
