水害の記憶が、米になった
1889年、奈良県の十津川郷で大水害が起きた。2489人の被災者が、北海道の原野に移住することになった。その地が、いまの新十津川町だ。
私がこの町を見るとき、米作りの背景にはいつもこの歴史がある。移民たちは、失われた故郷の代わりに、石狩川と徳富川が流れるこの盆地を開墾した。寒冷地での稲作は容易ではなかったはずだ。だが130年以上、この町は北海道有数の米産地として米を作り続けている。
寄付すると届く ふっくりんこ は、その歴史の上に成り立つ米だ。選べる容量(5kg、10kg、15kg)と配送回数(1回から12回まで)が用意されているのは、家族の食べ方に合わせるためだろう。精米で届くから、炊飯器に入れるまでの手間がない。

台所に着地する、毎日の米
米は、毎日の食卓の主役だ。だからこそ、産地と品種の選択は慎重になる。新十津川の米は、冷涼な気候と豊かな水に育てられた。炊き上がりの粒立ちが良く、冷めても硬くなりにくい特性がある。朝炊いたご飯を、昼の弁当に詰めても、夜に温め直しても、米本来の甘みが残る。
配送回数を選べるのは、実用的だ。一人暮らしなら1回、家族4人なら2〜3回、毎月届く定期配送を選べば、買い足す手間がない。冷蔵庫の米びつに常に新しい米がある状態を保つことができる。
奈良県からの移民たちが伝えた食文化に「めはりずし」がある。高菜の塩漬け葉でおにぎりを包んだ、素朴な握り飯だ。新十津川の米で握ったおにぎりを、その葉で包む。130年前の故郷と、今この町が、食卓の上で一つになる瞬間だ。
米作りは、地形に支えられている。石狩川と空知川の合流部、そして暑寒連峰からの清水。この地理的な恵みが、毎年の収穫を約束する。寄付金は、その風景を守り、次の世代の米作りを支える。
