馬追原野から、食卓へ
長沼町は、札幌の東、北広島に隣接する小さな町だ。明治の開拓者たちが夕張川の河畔に入り、馬追原野を切り開いた。その地形は今も町の骨格を決めている。東は丘陵地帯、西は平野。この平野こそが、米を育てる場所だ。
皇室献上米のゆめぴりかは、その平野で作られている。ゆめぴりかは北海道を代表する品種で、粒が大きく、甘みが立つ。炊きたての湯気が立つ時、米の香りが台所に満ちる。冷めても粘りが残り、おにぎりにしても、翌日の弁当でも、米の輪郭がはっきりしている。

寄付すると5キロか10キロが届く。精米の状態で、すぐに炊ける。我が家の米びつに入れて、毎日の食卓に着地する。朝、白いご飯を盛る。味噌汁をかけて食べる。その日常が、この町の農業の積み重ねの上にある。
米粉で、季節の手当てを
同じ町の米を使った米粉の食パンとシフォンも、返礼品に並んでいる。米粉食パンは、朝食の定番になる。トーストすると、米の香りが焼き色とともに立ち上る。バターを塗る。ジャムを塗る。シンプルな朝が、少し丁寧になる。

シフォンケーキは、米粉で作られている。ふんわりとした食感は、小麦粉とは違う。切ると、きめ細かい層が見える。紅茶を淹れて、午後の時間を作る。子どもたちのおやつにもなる。
長沼町の米は、食卓に着地する形が複数ある。白いご飯として、毎日の基本になり、加工されて、季節の手当てになる。その選択肢の広さが、この町の農業の厚みを示している。開拓から130年以上、平野で育てられた米が、今も家族の食卓を支えている。
