山に囲まれた盆地の、米の季節
共和町は、北に積丹半島、南にニセコ連峰を控える盆地だ。その地形が、米作りに向いている。冷たい山風が吹き抜け、昼夜の気温差が大きい。そういう環境で育つ米は、粒が締まる。古くからの稲作地帯という町の歴史は、この地形の恵みそのものだ。
共和町米生産友の会の定期便は、3ヵ月連続で米が届く。ゆめぴりかとななつぼしの食べ比べだ。春から初夏にかけて、新米の季節を迎える北海道の米は、その時々で表情が変わる。定期便で届くことの良さは、同じ産地の米を季節ごとに食べ比べられることにある。

最初に届く米を炊いた時、粒の立ち方を見てほしい。ゆめぴりかは甘みが前に出る品種で、朝食の白飯に向いている。ななつぼしは粘りが控えめで、おかずの味を邪魔しない。同じ町で、同じ季節に育った二つの品種を、家の食卓で食べ比べることで、米作りの手間と選択が見える。
盆地の農業が、町を支える
共和町の農業は米だけではない。1963年からはスイカの生産が始まり、今ではメロンやじゃが芋、かぼちゃ、とうもろこし、ブロッコリーなども作られている。らいでんというブランド名で、これらの野菜や果物が出荷されている。
しかし、この町の根底にあるのは、やはり米だ。米があるから、その後の野菜や果物の作付けが可能になる。輪作の中心に米がある。定期便で3ヵ月、同じ産地の米を食べ続けることは、共和町の農業の基盤を、家の食卓で支えることでもある。
届いた米を、毎日の飯として食べる。その当たり前の営みが、山に囲まれた盆地の農家の手と、季節の移ろいとつながっている。