城下町の台所に根ざした、松前漬けという日常
松前町は江戸時代、松前藩の城下町として栄えた。その歴史は今も町の骨格に残っているが、私がこの町を知りたいと思う時、目を向けるのは城跡ではなく、台所だ。
松前漬けの小袋セットを手にすると、それは単なる漬物ではなく、この町が海とどう付き合ってきたかを物語っている。松前漬けは昆布とスルメ、そして数の子を塩漬けにしたもの。北海道の最南端に位置し、対馬海流の影響で北海道では最も温暖なこの地では、江戸の時代から漁が盛んだった。漬物という保存食は、漁師たちの冬の食卓を支えた。

小袋セットは、異なる配合や素材の組み合わせを少量ずつ試せる。白いご飯の上にのせれば、塩辛さと昆布の香りが一気に立ち上る。朝食の一品として、あるいは晩酌の肴として、毎日の食卓に着地する。開封してから数日で食べ切る量だから、いつも新しい風味を保つ。季節が変わっても、この町の味は変わらない。
初夏の海から届く、殻付きウニの贅沢
同じ海の恵みでも、天然の殻付きキタムラサキウニは季節限定の別の物語だ。2026年6月以降の発送という指定は、この町の漁のリズムを教えてくれる。初夏、海が目覚める季節に、ウニは旬を迎える。

殻付きのまま届くウニは、自分の手で割り、スプーンでそっと身をすくい取る。その手間が、食べる時間を特別にする。冷えたウニの甘さは、白いご飯にのせても、日本酒の盃に浮かべても、その土地の海の深さを感じさせる。北海道の最南端という地形が、温暖な気候をもたらし、それが海の生き物たちの豊かさにつながっている。その連鎖を、一粒のウニが教えてくれる。
松前町への寄付は、城下町の歴史を訪ねることではなく、この町の漁師たちが毎日向き合う海の季節を、自分の食卓に迎え入れることなのだ。
