海が近い町の、塩辛の手仕事
北斗市は渡島半島の南に位置し、函館湾と津軽海峡に面している。2006年の合併で誕生した比較的若い市だが、この土地の漁業の歴史は古い。定置網漁業、養殖、磯漁——函館湾の地先漁場で獲れたイカは、昔からこの町の台所の主役だった。
いかそうめん塩辛は、そうした漁業の営みが、そのまま瓶詰めになった品だ。イカの耳の部分を塩漬けにしたもので、ご飯の上にのせて、あるいは酒の肴に。冷蔵庫に常備しておくと、朝食の一品になり、晩酌の相棒になる。110グラムの小分けが10袋入っているから、食べ進めながら、季節が変わっていく。開けたての塩辛さ、時間とともに塩が馴染んでいく味わい——そうした変化も、塩漬めの食べ物ならではの楽しみだ。

北斗市の漁港は上磯、茂辺地、当別の三地区にある。小さな町だからこそ、漁師と加工業者の距離が近い。朝獲れたイカが、その日のうちに塩漬けになる。そういう現実が、この品の背後にある。
同じ海から、別の食べ方
同じ津軽海峡のイカを使ったお刺身いかそうめんもある。こちらは塩辛ではなく、そうめん状に細く切ったイカの身そのもの。冷たく冷やして、つゆにくぐらせて食べる。夏の食卓に、海の透明感が届く。業務用パックなので、家族が多い時期、あるいは何度も食べたい時に重宝する。

北斗市の農業も、また根深い。1685年に文月地区で北海道初の稲作が行われたという記録が残っており、この町は「北海道水田発祥の地」でもある。北斗市の田んぼからの贈り物は、そうした歴史の上に育った米だ。3キログラム×5袋という量は、家族の食卓で、毎日のご飯として消費していく分量。塩辛とともに、白いご飯。その組み合わせが、北斗市の食卓の基本形だ。
冬の夜、温泉と地酒
北斗市は豪雪地帯に指定されており、冬は厳しい。そんな季節に、東前温泉の入浴回数券があると、心身が救われる。源泉100パーセントかけ流しという条件は、温泉地としての誠実さを示している。10枚綴りなら、月に一度程度、冬の間に通える。
晩酌には、北斗マルメロリキュールも選択肢になる。マルメロは西洋マルメロで、北海道でも栽培される果実。その香りと甘さを、リキュールに仕立てたもの。ロックで、あるいはソーダ水で割って。冬の夜、温泉から帰った後の一杯に。
北斗市は新幹線の駅を持つ町だが、その顔だけが町ではない。漁港の塩辛、水田の米、温泉の湯——小さな町の、地続きの営みが、返礼品として家に届く。
