石狩川の水が、ここで米になる
深川の米作は、ひとつの工事から始まった。大正用水の完成だ。1916年、石狩川から水を引く用水路が完成されるまで、この町の水田は限定的だった。だが一本の水路が引かれた時、北空知の平野は一変した。東西に石狩川が流れ、その周辺に水田が広がる——今の深川の風景は、その時代の選択の積み重ねだ。
冬は-30℃近くまで冷え込み、年間930センチの雪が降る。こうした厳しい気候の中で、深川の農家たちは米作に向き合ってきた。1892年に稲の栽培に成功してから、試行錯誤を重ねて、今では米がこの町の主要産業になっている。
ふっくりんこは、その歴史の中で生まれた品種だ。粒が大きく、炊くと名前の通りふっくらと膨らむ。冷めても硬くなりにくく、弁当や握り飯に向く米として、北海道の農家に選ばれてきた。深川産のふっくりんこは、石狩川の水と、この町の冬の厳しさを、一粒に詰め込んでいる。

食卓に届く、その日から
米が家に届いた時、まず袋を開けて匂いを嗅いでほしい。新米の季節なら、わずかに甘い香りがする。炊く前に研ぐ時、水が濁るのは米の表面の糠。丁寧に研ぐと、粒がより立ち上がって炊ける。
炊飯器の中で、米は水を吸収して膨らむ。ふっくりんこはこの過程で、粒同士が適度な距離を保つ。だから炊き上がった時、一粒一粒が独立した食感になる。白いご飯として食べるなら、塩むすびにして、その粒の立ち方を感じてほしい。おかずがなくても、米の甘みが口に残る。
朝、昼、晩と毎日食べるものだからこそ、米選びは大事だ。ななつぼしやゆめぴりかといった品種も深川産で選べる。ななつぼしはやや粘りが強く、ゆめぴりかはより甘みが際立つ。家族の好みに合わせて、配送月も選べるのは、通年で米を食べる家庭にとって実用的だ。

深川の米は、この町の台所の基本だ。寄付して届いた米を、毎日の食卓に置く。それは、石狩川の水と、北空知の冬を、自分の家に迎え入れることでもある。