石狩川の水が、米を育てる
岩見沢は、かつて鉄道の町だった。操車場が東北以北最大の規模を誇り、炭鉱の石炭を全国へ運ぶ拠点だった時代がある。だが今、この町の顔は変わった。石狩平野の東部に位置し、石狩川と幾春別川、利根別川といった複数の河川が流れ込む地形が、米作りに最適な水と土をもたらしている。
ななつぼしは、その岩見沢米の代表格だ。15年連続で最高評価「特A」を獲得し続けている。これは単なる品質の証ではなく、毎年毎年、この町の農家たちが同じ水準を保つために払ってきた手間と判断の積み重ねを意味している。

届いた米を炊くと、粒がしっかり立つ。冷めても硬くならず、おにぎりにしても弁当に詰めても、翌日まで風味が残る。朝食の白飯として、あるいは丼ぶりの下地として、この米は主張しすぎず、食卓に静かに着地する。毎日食べるものだからこそ、こうした「当たり前の良さ」が、実は最も大切なのだ。
季節ごとに、野菜が届く喜び
米と並んで、岩見沢の農業を支えるのが野菜だ。新鮮農産物セットは、5月から11月にかけて月1回、季節の野菜が6回にわたって届く定期便である。春先のアスパラガスから始まり、夏のトウモロコシ、秋の根菜へと、北海道の短い農期を最大限に活かした品揃えになっている。

毎月届く野菜は、その時期に最も旬を迎えたものばかり。冷蔵庫に入った時点で、次の食卓がおのずと決まる。アスパラガスなら塩ゆでで、トウモロコシなら焼くか蒸すか。野菜が主役になる食べ方が、自然と生まれる。北海道の短い夏と秋の恵みを、家の食卓で季節ごとに味わう—それは、この町の農業の現実そのものでもある。
自家生産の米、もう一つの選択肢
善生さんの自慢の米は、100%自家生産精米の米である。一農家が、種まきから精米まで一貫して手がけた米を、そのまま家に届ける。大規模流通を経ずに届くため、米の鮮度が違う。精米したての香りが、袋を開けた瞬間に立ち上る。
毎日の食卓に、顔の見える農家の米を置く。それは、この町の農業が個々の農家の工夫と責任の上に成り立っていることを、食べるたびに思い出させてくれる。