有明海と脊振山地に挟まれた、水と土の町
佐賀市は南北に長い市域を持つ。南は有明海に面し、北は脊振山地へ向かう。この地形が、この町の食べ物のすべてを決めている。
平野部は起伏がほとんどない。海抜が低く、水はけが悪い土地だった。江戸時代、佐賀藩が成富兵庫茂安らと協力して治水事業に取り組むまで、洪水と水争いが絶えなかった。堤防を築き、水路を整備し、排水を工夫することで、この平野は初めて農地として安定した。明治以降も、有明海の干満差を利用した水位調整や、蛇行した水路の直線化によって、さらに農業に適した土地へと変わっていった。
現在の佐賀平野は、その治水の歴史の上に成り立っている。水田に適した低平な地形、そして何百年もかけて整備された水路網。この環境が、佐賀の米を育てている。
米どころとしての佐賀、その品種と季節
さがびよりは、この町を代表する米だ。佐賀県が開発したブランド米で、粒が大きく、甘みがある。寄付すると、精米を選べる内容量で届く。

米が家に着くのは、秋から冬にかけてが多い。新米の季節だ。袋を開けると、白い粒がしっかり詰まっている。炊くと、粒立ちがよく、ご飯粒一つ一つが主張する。朝食の茶碗に盛ると、白さが際立つ。箸で持ち上げると、粒がばらばらと落ちる。これが、水路に支えられた平野で育った米の食べ方だ。
佐賀平野では、古代から順次開墾が進み、稲作地帯となった。筑後川などの土砂運搬により、海岸線は年々南下し、干拓によってさらに農地が広がった。東与賀町や川副町の大部分は干拓地だ。その土地で育った米は、塩分を含む土壌の影響を受けながらも、治水と灌漑の恩恵で、安定した品質を保つ。
夢しずくも同じく佐賀県産のブランド米。こちらも選べる内容量で届く。さがびよりとは異なる品種で、粘りが強い。冷めても硬くなりにくく、弁当向きだという評判もある。家の食卓では、朝は粒立ちのさがびより、昼は粘りの夢しずくと、使い分ける家もあるだろう。

佐賀牛、平野の牧草地から食卓へ
米と並んで、佐賀市の返礼品の顔となるのが牛肉だ。佐賀牛の切り落としは、寄付額12000円で、500gから2kgまで内容量を選べる。
佐賀牛は、黒毛和牛のブランド牛。市域の北部、脊振山地の山麓には農村が点在し、そこで牛が育てられている。平野部の稲作と異なり、山間部では牧草地が広がる。この町の食卓では、米と牛肉が同じ地形の恩恵を受けながら、別々の場所で育つ。
切り落としが届くと、冷凍で真空パックされている。解凍して、すき焼きの鍋に入れると、脂が溶け出す。肉の色は濃い赤。火を通すと、白くなり、縮む。箸で持ち上げると、柔らかさが伝わる。秋から冬の晩酌の時間に、家族で囲む鍋に、この肉が入る。米で育った体に、同じ町の牛肉が入る。それが、佐賀市の食卓の基本形だ。
佐賀牛の希少部位ステーキも、同じ寄付額で選べる。こちらは赤身で、焼いて食べる。ステーキ皿に乗せ、塩をふって火にかけると、表面が焦げ、中は赤いままになる。切ると、肉汁が出る。この食べ方は、米の食卓とは異なる。洋風の晩酌、あるいは特別な日の食事になる。
返礼品の選び方、季節と保存を考えて
佐賀市の返礼品は、米と牛肉が中心だ。他に、天吹の純米大吟醸という日本酒も選べる。300mlの小瓶が12本届く。米を育てた町の酒だ。晩酌の時間に、米と牛肉の食卓に、この酒が加わる。
米は、精米の状態で届くため、冷蔵庫で保存すれば、2ヶ月程度は品質を保つ。牛肉は冷凍で届き、解凍して使う。すき焼きなら秋から冬、ステーキなら通年で食べられる。酒は、冷暗所に保存すれば、長く持つ。
寄付の時期を考えると、秋の新米の季節に米を申し込み、冬の鍋の季節に牛肉を申し込むのが、食卓の流れに合う。あるいは、米と牛肉を同時に申し込んで、秋から冬にかけて、毎日の食卓を佐賀市で埋めるのも良い。
佐賀市は、県庁所在地でありながら、九州の県庁所在地の中で最も人口が少ない。しかし、その分、農業と畜産の町としての顔が濃い。有明海と脊振山地に挟まれた地形が、米と牛肉を育てた。その食べ物が、家の食卓に着地する。それが、佐賀市のふるさと納税の本質だ。
