港町の背後にある、段々の農地
玉野市は瀬戸内海の備讃瀬戸に面した港町だ。宇野港から直島や小豆島へのフェリーが出ており、かつては四国への玄関口として栄えた。だが町の顔は港だけではない。市街地を少し離れると、金甲山や王子が岳といった花崗岩の山々が連なり、その斜面には果樹園が広がっている。
私がこの町を見ていて気づくのは、造船業と重工業で栄えた港湾都市でありながら、同時に農業の手が入った風景を持つ珍しさだ。三菱重工やかつての三井造船といった大型工場が立地する一方で、山の段々には桃やぶどうの樹が植わっている。瀬戸内の温暖な気候と、花崗岩質の水はけのよい土壌が、こうした果樹栽培に適しているのだろう。
夏から秋へ、ぶどうの季節
シャインマスカットは、岡山県産の中でも玉野で育つものが特に知られている。2房で1kg以上という量感は、家族で何日かかけて食べるのに丁度よい。届いた時点では、まだ青みが残っているかもしれない。冷蔵庫の野菜室に入れて、2〜3日置くと、粒がしっかり冷えて、甘さが引き立つ。

シャインマスカットは種がなく、皮ごと食べられる。夏の終わりから秋口、晩酌の後に冷えたぶどうを一粒つまむ。その瞬間、瀬戸内の日差しと、山の斜面で育った樹の仕事が、一粒に凝縮されているのを感じる。
同じ季節、ニューピオーネも届く。こちらは1房約500gで、色が濃く、甘みが強い。シャインマスカットとは違う品種の味わいを、同じ季節に比べられるのは、玉野という産地の厚みを知ることになる。

米と肉、港町の食卓
こしひかりは、岡山県産の米の中でも、玉野周辺で育つものだ。児島湖という大きな湖を持つこの地域は、水に恵まれている。10kg(5kg×2袋)という単位は、家族4人で2ヶ月弱の消費量。新米の季節に届けば、炊きたての香りが台所を満たす。
おかやま和牛の切り落としは、300g×6パックという小分けが実用的だ。一パックで、夜の弁当のおかずになり、朝の味噌汁の具になる。港町の食卓は、海の幸だけではなく、こうした赤身の肉も日常に組み込まれている。
季節の手当てとしての返礼品
玉野に寄付することは、この町の四季を家の食卓に迎え入れることだ。夏から秋のぶどう、秋から冬の新米、そして通年で使える肉。港町であり、同時に農業の町でもある玉野の、両面を返礼品は映している。
