海と山、二つの季節が重なる町
大山町は、日本海の波打ち際から中国地方の最高峰・大山の山頂まで、一つの町の中に海と山を抱えている。鳥取県西部、西伯郡に属するこの町は、地形そのものが産業を決めている。海岸部は農地が広がり、山麓から山頂へ向かうにつれて気候が変わる。この高低差が、梨を甘くし、和牛を育てる。
町の成り立ちは合併の歴史だ。1955年に所子村と高麗村の一部が合併して初代大山町が発足し、その後も幾度か合併を重ねて、2005年に現在の大山町となった。その過程で、旧名和町、旧中山町の産業も統合された。今、この町で食べられるものは、そうした複数の地域の手仕事が重なった結果なのだ。
降雪量が多く豪雪地帯に指定されるこの地では、冬の準備が秋から始まる。梨の収穫、そして和牛の飼育。どちらも、この町の人たちが季節と向き合う営みの中心にある。
秋の梨、夏の育成——あたご梨が食卓に着地するまで
大山町の梨は、新甘泉、二十世紀、王秋など複数の品種が栽培されている。中でもあたご梨は、この町を代表する秋の果実だ。

あたご梨が食卓に届くのは、秋の中盤から後半。5キロという量は、一人暮らしなら数週間、家族なら10日から2週間の間、毎日梨を食べることになる。箱を開けた時、梨の香りが部屋に満ちる。その香りは、この町の秋そのものだ。
梨は、届いた直後は常温で保存できるが、食べ頃を迎えたら冷蔵庫へ。冷えた梨をナイフで切ると、果汁が手に落ちる。皮は薄く剥け、芯は取り除きやすい。そのまま食べるのが最も素朴だが、朝食のヨーグルトに混ぜたり、夜の晩酌の後に冷えた梨をかじったり、食べ方は自然と広がる。
この町の梨農家は、春から夏にかけて、花が咲いた後の摘果作業に時間をかける。一つの枝に一つだけ梨を残し、その一つに栄養を集中させる。その手仕事の積み重ねが、秋に甘い梨として家に届くのだ。
大山和牛——山麓で育つ、赤身の旨さ
大山町の和牛は、鳥取和牛として知られている。この町の牧場では、大山の麓の草地で牛が育つ。赤身ステーキとして届く肉は、モモや肩の部位。脂が少なく、肉そのものの旨さが前に出る。

赤身ステーキは、焼き方が大事だ。フライパンを強火で熱し、塩をふった肉を素早く焼く。表面に焦げ目がついたら、すぐに火を弱める。中はほのかにピンク色が残るくらいが、この肉の食べ頃。切ると、肉汁が流れ出す。その肉汁の中に、この町の牧場の時間が詰まっている。
大山和牛は、脂肪交雑よりも、赤身の質を重視する育て方をされている。つまり、毎日の食卓で、何度も焼いて食べられることを想定した肉なのだ。焼肉用のカルビも同じ。脂が適度にあり、焼くと香ばしくなる。家族で囲む食卓で、何度も箸が伸びる肉だ。
米と野菜——季節の手当てを支える
星空舞という名の米は、この町の農家が育てた品種。3キロという量は、一人暮らしなら1ヶ月弱、毎日食べられる量だ。白米として届き、炊くと粒が立つ。朝食の白いご飯、昼の弁当、夜の定食。米は、季節を問わず、毎日の食卓の中心にある。
朝採れ野菜セットは、季節によって内容が変わる。春なら新玉ねぎ、夏なら枝豆やトマト、秋なら白ねぎやブロッコリー。この町の野菜は、大山ブロッコリーや白ねぎが特産として知られている。野菜セットが届いたら、その日のうちに冷蔵庫へ。朝採れの野菜は、鮮度が命だ。
返礼品を選ぶ視点——この町で何を食べるか
大山町の返礼品は、食べ物が中心だ。梨、米、野菜、和牛。どれを選ぶかは、自分の食卓をどう作りたいかで決まる。
梨を選ぶなら、秋の食卓に季節感を呼び込みたい時。米を選ぶなら、毎日の白いご飯を少し良いものにしたい時。和牛を選ぶなら、週末の焼肉や、特別な夜の食卓を作りたい時。野菜セットを選ぶなら、季節の野菜を、その時々で新鮮に食べたい時だ。
この町への寄付は、その返礼品を通じて、大山町の四季を自分の台所に招くことになる。梨の香りが部屋に満ちる秋、米を炊く毎朝、和牛を焼く夜。そうした日常の中に、この町の風土が着地する。
旅行クーポンも用意されているが、この町の本質は、食べ物にある。食べることで、初めてこの町を知ることができるのだ。
