加古川川沿いの食卓、季節の手当て
加古川市は兵庫県南部、播磨平野の東部に位置する。市を貫く一級河川・加古川の左岸は平坦で、古くから穀倉地帯として知られてきた。飛鳥時代から米や麦を育て、江戸時代には西国街道の宿場町として参勤交代の旅人を迎えた。その歴史の中で、この土地の台所は何を大切にしてきたのか。
私がこの町を見るとき、思い浮かぶのは「季節の手当て」という営みだ。播磨平野の温暖な気候と、加古川の水が支える農業。そこから生まれた食材を、家族の食卓にどう着地させるか。その知恵が、返礼品にも息づいている。
推し一品:志方牛で、冬の鍋を囲む
志方牛のしゃぶしゃぶ・すき焼は、この町の畜産の歴史を最も素直に表現している。加古川市は神戸牛の産地であり、多くの有名牛肉の仔牛育成地でもある。志方町は1979年に加古川市に編入された旧印南郡の地域で、北部の農村風景が今も残る場所だ。

この牛肉が家に届いたとき、冬の食卓に何をもたらすか。500gという量は、四人家族の鍋を一度、あるいは二度囲むのに丁度よい。薄く切られた肉は、昆布だしの湯にくぐらせて食べる。肉の甘みが、ほのかに立ち上る。すき焼にすれば、割り下の醤油と砂糖が肉の脂と絡み、白菜や豆腐と一緒に煮詰まる。
発送月を選べるという仕様も、この町の食べ方を知っている。冬の鍋の季節に合わせて、秋口から冬へ向かう時期に届けてもらう。そうすることで、その年の初冬の食卓が、一度だけ特別になる。
他の選択肢:米と、加工の手間
神喜舞の精米は、播磨平野の穀倉としての顔を見せる。5kg単位で、定期便を選べば半年あるいは一年、毎月届く。白米として炊き上がった時の香りと粘り、その季節ごとの微妙な違いを、家の食卓で感じることになる。

焼きあなごは、播磨灘の海の恵みだ。串に刺された穴子は、すでに焼き上げられている。温め直すだけで、白いご飯の上に乗せられる。加古川の河口近くの海で獲れた天然の穴子を、地元の職人が焼く。その手間が、返礼品の中に詰まっている。
神喜舞のお米とお酒のセットは、米と酒という、この土地の二つの顔を一度に味わう選択肢だ。玄米と精米、そして真吟精米の酒。米を育てる手間と、それを別の形に変える手間の両方が、一つの箱に入っている。
返礼品を選ぶ視点
加古川市の返礼品を選ぶ時、私は「この町で、どう食べられてきたか」を問う。高額な工業製品や家電も返礼品には含まれるが、この町の顔は、やはり食にある。
志方牛の鍋、神喜舞の米、焼きあなご。どれも、季節の手当てとして家の台所に着地する。定期便を選べば、その営みが一年続く。そこに、加古川市への寄付の意味が生まれる。
播磨平野の温暖な気候、加古川の水、そして江戸の宿場から続く食の営み。それらが、返礼品という形で、あなたの食卓に届く。
