粘土が露出する丘陵地に、煙突が立ち並ぶ
常滑に入ると、まず地形が目に入る。知多半島西岸の中央、伊勢湾に面した丘陵地。平地は海沿いの狭い部分に限られ、市域の大部分は低くなだらかな丘が連なっている。古くからこの地は粘土層の露出が多く、その性質が滑らかなため「とこなめ」と呼ばれた。地名そのものが、この町の本質を言い当てている。
平安時代後期から中世にかけて、この粘土を使った焼き物が生まれた。「古常滑」と呼ばれるそれは、太平洋に沿って日本全国に広がり、北は青森から南は鹿児島まで、全国の中世遺跡で出土する。江戸時代後期に復興した常滑焼は、やがて土管やタイルへと広がり、明治には衛生陶器の大企業も生まれた。旧市街に今も点在するレンガ煙突、黒板塀、「土管坂」といった情景は、この町が粘土と共に歩んできた時間の堆積だ。
焼き物の町が贈る、陶の器
常滑の返礼品を見ると、この町の歴史がそのまま映っている。推し一品は 高山陶園の焼酎ボトル。常滑焼の手作りの陶器で、焼しめの風合いが深い。焼酎を注ぎ、晩酌の時間に手に取る。粘土から生まれた器が、液体をまろやかにするという、この町ならではの営みだ。焼き物の町で、焼き物に酒を預ける。その循環が、一つの返礼品に凝縮されている。

酒そのものも、この地の産物がある。知多ぶるの純米大吟醸と純米吟醸は、愛知の酒米を使った二種。火入れ酒と無濾過生原酒、異なる製法の二本が届く。知多半島の温暖な気候が育てた米が、酒になり、常滑焼の器に注がれる。

空港の開港が変えた、町の時間
2005年、伊勢湾の当市沖に中部国際空港が開港した。埋立地には新しい地名「セントレア」が生まれ、鉄道と道路が整備された。この変化は、町の人口を増加に転じさせた。セントレアホテルのハローキティルーム宿泊券や、楽天トラベルクーポンといった返礼品は、この新しい時代を象徴している。
しかし常滑の本質は、空港の開港後も変わらない。丘陵地に立つ煙突、黒板塀の路地、粘土から生まれた焼き物。この町に寄付すれば、古い時間と新しい時間が交差する場所から、返礼品が届く。焼き物の町の、静かな営みを感じながら。