富士山の東南麓、霧の町で醸す
私は御殿場という町を、富士山と箱根に抱かれた「霧の高原」として見ている。市街地の標高は250~700メートル。市役所がある450メートルという高さは、静岡県内では特異だ。年間降水量は2874ミリ。駿河湾と相模湾からの湿った空気が富士山付近で雲になりやすく、梅雨の時期は雨や霧が絶えない。夏の日中は蒸し蒸しするが、夕方以降は気温が急速に下がり、猛暑日はほぼ観測されない。冬は晴れが多いが、南岸低気圧が通ると大雪になる。この複雑な気象が、御殿場という土地の個性を作っている。
1889年の東海道線開業以来、この町は富士登山の拠点として栄えた。避暑地としても知られ、現在もゴルフ場が点在する。だが私が注目するのは、この冷涼で湿度の高い気候が、飲み物の製造にもたらす影響だ。
冷涼さと湧水が、ビールの骨格を決める
御殿場高原ビール・ヴァイツェンは、この町の気候風土を最も直接的に表現する返礼品だと考える。ヴァイツェンはドイツ南部発祥の小麦ビール。濃厚な香りと、バナナやクローブのような複雑な香気が特徴だ。

なぜこの町でビールなのか。富士山麓の高原は、古くから湧水に恵まれている。水質が良く、冷涼な気候は発酵管理に有利だ。夏でも気温が上がりすぎず、ビール酵母の活動を精密にコントロールできる。梅雨の湿度も、麦芽の乾燥を緩やかにする。つまり、御殿場の気象条件そのものが、ビール醸造の環境として機能しているのだ。
350ミリ缶8本というセットは、晩酌の習慣に自然に着地する。冷えたグラスに注ぐと、白い泡が立ち、小麦ビール特有の濁りが光を通す。夏の夕涼みに、あるいは冬の晴れた夜に。御殿場の気候が育んだビールは、その土地の季節感とともに飲むものだ。
水かけ菜、金華豚、そして地ビール
この町の食文化を見ると、冷涼さと湧水への依存が一貫している。冬場、水田に富士山の地下水を張って栽培される水かけ菜(水菜)は、漬物の特産品だ。湧水のそばではワサビ栽培も行われている。中国から導入された金華豚の飼育も、冷涼な気候があってこそ成立する。
御殿場高原ビール&御殿場高原ワインのバラエティセットも、この町の多面性を示している。ビールだけでなくワインも手がけるのは、同じく冷涼さと湧水という資産を、異なる発酵飲料に活かす試みだ。ビールの爽やかさ、ワインの深さ。どちらも、この高原の気候が育んだものだ。

申し込みの実際
御殿場市へのふるさと納税は、楽天ふるさと納税などの主要ポータルを通じて受け付けられている。ビールのセットは1万円からの寄付で手に入る。配送は通常便で、冷蔵便での到着となる。
夏場に申し込めば、初夏から秋口にかけて、冷えたビールが食卓に届く。冬に申し込めば、晴れた冬の夜の晩酌に。御殿場という町の季節感を、グラスの中に感じながら飲む。それが、この返礼品の本来の使い方だと私は考える。
