川の水が醸す、地酒の味わい
美里町は宮城県北部、大崎平野の中心にある。町を貫く江合川と鳴瀬川——この二つの川が運ぶ水が、この土地の産業を支えてきた。水田が町面積の七割を占めるのは、水利に恵まれた地形があってこそだ。
その同じ水が、酒造りの根幹でもある。天仁の大吟醸は、この町で代々醸されてきた地酒だ。酒蔵が自らの味として誇る二本セットは、米と水と時間が一つになった形だ。大吟醸という格は、米を磨き、低温でゆっくり発酵させる手間の積み重ねを意味する。届いた瓶を手にすれば、その重さと色合いから、職人の仕事が透けて見える。晩酌の盃に注ぐ時、この町の川の流れと、醸造蔵の静寂が一緒に立ち上る。

新しい試みと、古い営みが並ぶ町
一方、美里ブルーベリースパークリングは、この町の別の顔を映している。発泡酒という新しい形式で、地元の果実を活かす試み。微炭酸と酸味のバランスは、夏の食卓に涼しさをもたらす。ブルーベリーという素材を選んだ背景には、この町がイチゴや北浦梨といった果実栽培の伝統を持つことがある。新しい商品形式であっても、土地の営みとのつながりは失われていない。

岩手産の湯通し塩蔵わかめは、町内で加工される海産物だ。隣接する東松島市との市町境界変更を経た美里町は、沿岸地域との結びつきも深い。塩蔵わかめを湯通しして塩抜きし、味噌汁や酢の物に使う——こうした日々の手当てが、この地方の食卓を支えてきた。
美里町に寄付すれば、川の水で醸された酒、新しい果実飲料、そして海の恵みが家に届く。それは、平野と川と、隣接する沿岸地域が一つの経済圏を成す、この町の営みの縮図でもある。